2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a simple and rapid quantification method of pathogenic bacteria and drug-resistant bacteria based on fluorogenic substrates
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17K18894
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80326636)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸菌は糞便汚染の指標であり,大腸菌群に変わる指標細菌として利用することが議論されている.現在の大腸菌数測定法は,培地の作製,希釈,18時間以上の培養,陽性の判定作業など多大な労力を要する.そこで本年度は,特定酵素基質培地法を液体培地に適用しこの課題を解決することとした.具体的には,マイクロプレートリーダー内で下水処理水を37℃で培養しながら蛍光強度の経時変化を測定することにより,下水処理水中の大腸菌数を測定することを試みた.さらに年間を通じて3下水処理場の大腸菌数を測定し,本法の汎用性を検討することとした. 3処理場のサンプルとも,蛍光強度は培養開始から約1時間は低下し,その後直線的に増化し,約6時間後から指数関数的に増大した.指数関数的に増大したのはこの時間に大腸菌が対数増殖しているためと考えられる.蛍光強度が直線的に増加した1時間から3時間の間の蛍光強度を一次式で近似し,サンプルの傾きとブランクサンプルの傾きの差を「蛍光強度増加速度」と定義した.蛍光強度増加速度は高濃度のサンプルほど大きくなった.この測定を平成29年5月から平成30年1月まで年間を通して行った.各処理場においてサンプリングの間隔は7日以上とした. 3処理場とも大腸菌数が増大するのに伴い蛍光強度増加速度が増大する傾向が見られた.この結果を検量線として使い,一年間の大腸菌変動を解析した。 大腸菌数をみると,3処理場ともに突発的に高い日があることがわかる.また,B処理場は9月以降に大腸菌数が上がるという季節変動が見られた. 突発的に高い日は,A処理場では4日あり,このうち3日を本法は検出できた.B処理場には4日あり,このうち3日を本法は検出できた.C処理場にも4日あり,このうち3日を本法は検出できた.このように,大腸菌簡易測定法の開発に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、一年目は技術を開発することが目的であったが、研究が予想以上に進展し、長期間実環境サンプルを測定することに成功したため、このように判断をした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに研究を進捗させ一日でも早く薬剤耐性細菌の簡易分析法を開発する。
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Causes of Carryover |
申請時には一年目研究費に公定法用試薬に70万円計上したが、研究計画を変ること無しに公定法による分析回数を削減することができたため、余剰研究費を次年度に繰り越すこととした。繰り越した研究費でさらに研究を進めるため、二年目はサンプル数を増やし公定法による分析回数も増やす。 また、技術補助員を雇用する予定であったが十分なスキルを持った人材が見つからなかった。研究は本学大学院生が行ったため研究に進展に支障はなかった。
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Research Products
(11 results)