2017 Fiscal Year Research-status Report
走行中のトラックの高架橋上での地震時転倒数値解析法の確立と交通危機管理への応用
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17K18899
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
藤野 陽三 横浜国立大学, 先端科学高等研究院, 特任教員(教授) (20111560)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 地震 / 走行自動車 / 転倒解析 / 交通 |
Outline of Annual Research Achievements |
2011.3.11東北地方太平洋沖地震や1995 1.17兵庫県南部地震においてトラックの転倒が発生した.風によるトラックの転倒を扱った研究は研究代表者による研究を含め,内外にいくつか発表されているが,地震による路面の揺れがトラックの転倒にどの程度影響するかと扱った研究は内外で皆無であった.そこで,本研究では,高架橋や長大橋梁上でのトラックやトレーラーなどの地震時転倒を対象に研究し, 1)模型実験により基礎運動方程式を検証しつつ,数値シミュレーションによる手法を確立させ,曲線部を含めた橋梁上での地震による揺れとトラックの走行時転倒の関係を定量的に明らかにできる数値解析手法を確立し. 2)小型振動台を用いた実験を別途行い,シミュレーション手法の検証も行う. まずは,実際に転倒が発生した,横浜ベイブリッジでの2011.3.11東北地方太平洋沖地震の揺れやや阪神高速神戸線の1995 1.17兵庫県南部地震時の揺れを対象にトラックやトレーラーの転倒可能性を検討する.次に車種の違い,車の重心の高さ,ドライバーの運転の挙動,特に急ブレーキや車線変更がどの程度転倒に影響するのかをシミュレーションを通じて定量的に明らかにし,転倒を防止するための運転者へのガイドなどについても知見を得る. また,高架橋の地震による揺れと走行中のトラックやトレーラーの転倒の可能性を地震動との関係において,代表的な首都高速道路の高架部をいくつか選び,広範なシミュレーションを実施し,そのリスクを定量化し,リスク低減策を提案する.本年度は,トラックのシミュレーションのための方程式を導出し,検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
走行中大型トラックの運動方程式の導出 加速,減速し,カーブを切るトラックの地震時走行挙動をシミュレーションするためには8自由度の基礎運動方程式の導出を完成させた. また,2011.3.11東北地方太平洋沖地震において横浜ベイブリッジ下路デッキで走行中に転倒したトラックを対象に,記録されていた桁の地震時応答を用いて,走行安定解析を導出した運動方程式を用いて解析した.なお,阪神高速の神戸線の高架部を対象として走行トラックの安定解析はまだ未着手である.
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Strategy for Future Research Activity |
1)阪神高速の神戸線の高架部を対象として走行トラックの安定解析を実行する 2)首都高速の様々なカーブを想定したシミュレーションを実施する.併せて,速度,ハンドル操作もパラメータに入れて広汎に検討を行う. 3)自由度の高い,セミトレーラを対象にしたモデル化,すなわち運動方程式の導出を行う.振動台を使ったセミトレイラーの簡易振動実験を行い,方程式の妥当性を確認する. 4)2011.3.11東北地方太平洋沖地震において横浜ベイブリッジ下路デッキで走行中に転倒したのはセミトレイラーであったので,それを対象をしたシミュレーションを実施する
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Causes of Carryover |
簡易小型模型による実験を予定していたが,平成30年度以降に予定を変更しました.それに伴い,実験に必要な小型車両模型の購入費,実験に伴う諸経費が発生しないことになり,経費に余裕ができ,次年度に回すこととした.
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Research Products
(1 results)