2017 Fiscal Year Research-status Report
Search of Infection Resistance Genes for Genome Editing of Aedes aegypti
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17K18906
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
渡辺 幸三 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (80634435)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | デング熱 / ネッタイシマカ / 次世代シークエンサー / トランスクリプトーム / 生態疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1 蚊からのデングウイルスとボルバキアの検出 フィリピンで採取したネッタイシマカ個体を使って,デングウイルスをRT-PCRで,ボルバキアをPCRでそれぞれ検出した。まず,各標本をペッセルですり潰してRNAとDNAを抽出する。デングウイルスの4つの血清型(DENV1~4)にそれぞれ特異的なプライマーを使って,One-Step Real-Time RT-PCRでウイルスRNAを増幅し,血清型ごとにデングウイルス感染の有無を判定した。次に,抽出したDNAを使って,デングウイルス感染を抑制する共生細菌ボルバキアに特異的なwsp(Wolbachia surface protein)遺伝子をPCR検出した。ボルバキア陽性標本については,PCR産物の塩基配列をサンガーシークエンスで解読した。以上により,各蚊を「デングウイルス感染蚊」,「ボルバキア感染蚊」,「非感染蚊(いずれにも感染していない)」に区分した。
課題2 トランスクリプトームによる遺伝子発現解析 「デングウイルス感染蚊」と「非感染蚊」の2つの系について,RNA-seq解析を行うためのライブラリー作成を行った。それぞれの系からランダムに選んだ複数個体を実験に使用した。トランスクリプトーム解析は,磁気ビーズ法によりメッセンジャーRNA(mRNA)のみを単離・精製して行った。得られたmRNAを平均200塩基程度に断片化し,cDNAに逆転写した。次世代シーケンサーで塩基配列を解読する際に各個体を識別するインデックスタグが含まれるアダプターをcDNA断片に付加し,最後にPCR増幅してmRNAライブラリーを準備した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの系のうち,「ボルバキア感染蚊」のライブラリー作成には完了できなかったが,「デングウイルス感染蚊」と「非感染蚊」のライブラリー作成はできた。概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
課題2 トランスクリプトームによる遺伝子発現解析を完了する。 課題3 バイオイフォマティックスによるウイルス感染防御遺伝子のゲノムワイド検索を完了する。
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Causes of Carryover |
年度中の物品費が想定額よりもやや少なくなったため。次年度に物品費として使用する予定である。
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Research Products
(10 results)