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2017 Fiscal Year Research-status Report

植物の根の構造に学ぶ新たなプラントルーツ型基礎の提案に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17K18908
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

大谷 順  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (30203821)

Project Period (FY) 2017-06-30 – 2019-03-31
Keywords新たな基礎構造 / 植物の根 / 引張り試験 / X線CT / 土と構造の相互作用
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、申請者が所有するマイクロフォーカスX線CT装置を用いて、実際の植物の根の構造について解明する。ここでは、実際の植物を対象として、特にアンカー的適用を対象とした引抜き荷重を作用させた場合の土中内部の根の挙動について解明する。またこの結果を踏まえて、形状と剛性を変化させた人工のプラントルーツ型基礎を提案し、これを構造物の基礎形式としてアンカータイプの引抜きに対してどのような挙動を示すかについて検討する。最終的には「植物の根に学ぶ基礎形式:プラントルーツ型基礎」の提案を目指すものである。
本年度は、実際の植物の根について可能な限りの現象解明を試みると共に、実際の根の構造を簡素化した基本モデルを用いて、地盤内での力学挙動について把握することを試みた。実施内容は、実施計画に基づき、(1)まず実際の植物の根の構造について解明し、目的とした引抜き荷重に対する抵抗メカニズムについてその実験装置の試作と現象の解明を試みた。(2)続いて、(1)の結果に基づき、まずは基本形式としての形状の異なる人工材料を用いた1本の基礎形式に対し、同様の引抜き試験を実施し、形状の違いが引抜き特性にどのように影響するかについて検討した。また、(2)の成果に基づき、(3)引抜き過程のメカニズムを詳細に検討するために、X線CTを連動させて、段階的に引き抜いた際の基本形状の変化や周辺地盤の変状について考察した。加えて、X線CT画像を定量化する手法である画像解析手法(DIC)を用いて、地盤内の変位場についての考察を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究テーマは、国際的にもいくつかの研究機関で検討を始めており、ここでは、後でも紹介するが、フランスの2つの大学(Clermont Auvergne Universityと Grenoble Alpes University)との国際共同研究として進めている。その関係で、前者の大学より大学院の学生を5か月間受入れ、本学の学生と一緒に研究を進めた。
進捗については、上記概要でも述べたが、計画通り順調に進めている。特に計測方法を含む実験方法の確立、X線CT装置との連動、およびCT画像の定量化について、ある程度の成果と問題点の抽出を実施できた。
ここで特に今後検討が必要になった事項は、実験については植物を引抜く際のチャック(引抜き際の接合部分)の再検討、およびCT画像からDICによる変位・ひずみの抽出の精度である。前者は、植物に限るが土中から引抜く際、表皮部分のみが引き抜かれる等の問題点があり、特別なチャックを開発する必要がある。またDICについては変位のステップを小さくして多くのデータを取る必要があり、DICによる計算方法の高度化が必要となり、新たにワークステーション一式の購入が不可欠となった。

Strategy for Future Research Activity

上記進捗状況でも述べたが、最終年度となる2年目の研究内容としては、(1)植物の再度詳細な引抜き特性の解明、 および(2)(1)の成果に基づくモデルでの挙動の検討が、挙げられる。またその際上記でも述べたが、実験方法の改良(チャック部分)と画像解析の高度化を行う。またこれらに加えて、2年目は最終年度となるため、当初の目的のモデル化も進める予定である。

Causes of Carryover

(理由)本年度研究を進めるにあたり、特にX線CTデータの定量化を行う計算についてはすでに申請者が所有するコンピュータでの実施を試みた。しかし今後より精度の高い結果を得るためには、より大容量のデータを扱うことと、その計算速度を上げるための精度の高いワークステーションが不可欠となることが判明した。よってそのために、旅費・人件費の使用を制限し、次年度の購入に充てることとした。

(使用計画):新たに購入するワークステーション一式(GP-E51650V4A3N500TSDDe)を用いることにより、より細かくステップを取る引抜き荷重を実施し、DICを用いて定量的に解析することにより、より詳細な引抜き荷重に伴う地盤内の変位場・ひずみ場の測定を行う。

  • Research Products

    (4 results)

All 2019 2018 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (1 results) Book (2 results)

  • [Int'l Joint Research] Universite Clermont Auvergne/Universite Grenoble Alpes(フランス)

    • Country Name
      FRANCE
    • Counterpart Institution
      Universite Clermont Auvergne/Universite Grenoble Alpes
  • [Presentation] 植物の根系構造に学ぶ新たな基礎構造物の開発2019

    • Author(s)
      岩下光太朗
    • Organizer
      地盤工学会第53回地盤工学研究発表会
  • [Book] 植物の根系構造に学ぶ新たな基礎構造物の開発に関する研究2019

    • Author(s)
      岩下光太朗
    • Total Pages
      14
    • Publisher
      平成29年度熊本大学工学部社会環境工学科卒業論文
  • [Book] Development of a new systems of anchorages learned from plants roots structures using X-ray CT computed tomography2018

    • Author(s)
      Serena Bertoni
    • Total Pages
      220
    • Publisher
      Master Thesis at Polytech Clermont Ferrand, France

URL: 

Published: 2018-12-17  

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