2017 Fiscal Year Research-status Report
視覚障碍者等の外出意欲向上のための対話・盲導ロボット犬の共用システムの開発
Project/Area Number |
17K18911
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
内田 敬 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (60203535)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | バリアフリー / ユニバーサルデザイン / 買物支援 / 歩行支援 / AI / 自動操舵 / シェアリング・システム / プロトタイプ実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に晴眼者はゆったりと広い通路を快く歩くが、視覚障碍者は白杖による音・触感、環境音・反射音、気流方向を頼りにして、壁面や道路端部、点字ブロックなどの“線的”地物を認識し、それに沿って云わば伝い歩きをするため、“広場的”通路は障壁となる。したがって、音声歩行ナビ「言葉の地図」で空間の形状を正しく認識できたとしても、その空間イメージと現実空間・所在位置とのマッチングを自身で検証できるインタフェースがなければ、視覚障碍者が“広場”を歩行することは困難である。そこで、以下の2つを研究期間内の目標とする。 (1)連携研究者が開発中の小型車輪付きロボットを、視覚障碍者が“広場”内で斜め歩行(壁や点字ブロックに頼らない歩行)をする際のユーザインタフェース機器(「盲導ロボット犬」)として、申請者が開発中の視覚障碍者ナビシステムに組み込む。 (2)盲導ロボット犬は、特定のエリア・施設内での利用に限定することが実現性・安全性の点からは現実的である。一方、対象者人数の点から、利用対象者を視覚障碍者に限定するとコスト面で現実的でない。そこで、ロボットに対話機能を付加して、晴眼者も対象とした共用・貸出システムの概念構築を行い、運用コストの観点から実現性(フィージビリティ)を評価する。 第1年度にあたるH29年度は、上記(1)に関しては、盲導ロボット犬の方向指示機能に関する仕様を検討し、開発中の操輪ロボットの試作・改良を進めた。 上記(2)に関しては、貸出・共用システムの機能設計に掛かる類似システムの調査、並びに、ロボットに付加すべき対話機能として、経路・店舗案内などのいわゆるナビ機能だけでなく利用者の感情を推察して対話する機能について予備的な実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画調書に掲げた当初計画では、第1年度にあたるH29年度には、以下を実施することとしていた。 1)盲導ロボット犬の方向指示機能に関する仕様の検討、2)プロトタイプを用いた試用実験, 3)貸出・共用システムの機能設計に係る調査。これらのうち、2)試用実験は未実施であるが、関連する調査・検討は進めている。 一方、第2年度以降に本格実施することを計画している、4)ショッピングモールを模した実験環境での大規模実験、5)感情感知が可能な対話ロボットの機能拡張、などに関わる予備検討・予備実験(学会発表参照)や、民間企業技術者等との連携関係の構築は、当初予定よりも早めに進行している。 以上を総合して、おおむね順調に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究事項の細目ごとにみると、進捗状況に早い・遅いの差が生じているものの、問題となる障害は生じていない。したがって、研究の推進方策としては、当初計画のままに進めていく。研究スケジュールの微修正(事項の入れ替え)により、全体的には当初予定の3か年で目標達成ができる見込みである。
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Causes of Carryover |
実験関連機器の購入費が想定よりも若干、安価で済んだことにより 8,553円の余剰が生じた。 次年度の物品費として使用する。
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Research Products
(1 results)