2017 Fiscal Year Research-status Report
間伐材資源の有効活用を可能にするロボット加工機の応用試験
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17K18918
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平沢 岳人 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (30268578)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 間伐材 / 井桜組 / ログハウス / 3Dスキャン / データベース / ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、間伐材の活用を念頭に、ばらつきの多い素材の三次元形状をリーズナブルな方法で取得する技術を確立すべく研究を進めた。丸太素材の三次元形状(点群)を必要十分な精度で取得するスキャナを開発した。初期の案では材料を固定した状態でセンサ類を材料周囲をなぞらせる予定であったが、装置設計段階で回転機構が煩雑になりすぎることが判明したため、センサ類を固定した状態で材料を回転させる形で実装した。比較的細短い試験体(100mm径500mm長)であるが、加工検討に十分な精度で点群を取得することに成功している。 得られた点群からは別形式の三次元形状(メッシュ)を生成し、生成したメッシュをリレーショナルデータベースに格納する。切削対象物の三次元モデルとデータベースに格納されたメッシュとを照合し、できるだけ切り捨てる部分の少ない素材候補リストが得られるシステムを構築した。このデータベースは、3DCADシステムを接続することで、CAD内の設計モデルの個々の部材を検索条件として、適切な素材を直感的に選択することを可能にしている。 なお、後工程でのコスト低減を実現するために、素材の三次元スキャンおよびデータベースへのメッシュデータ挿入時に、データベースレコードのプライマリーキーおよび日付時間等をコード化した二次元マークシートを出力し、これを木口面に貼付するようにした。この工夫により、設計時に選択した材料のピックアップ作業を合理化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前に提出した計画書通りにほぼ進められているから
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Strategy for Future Research Activity |
計画時に想定していた方式(材料を固定しスキャナを動かす)から、別の方式(スキャナを固定し材料を動かす)に実装方法を変更したため、計画時に想定していた最大サイズ(長さ1500mm、直径200mm)の素材を扱えていない。2018年度の実施計画では、間伐材をロボット加工機で実際に加工する計画となっているが、加工時の固定台に載せた状態の間伐材をスキャンする方法を別途実装することも選択肢としたい。実証制作のための時間は限られているので、研究全体の連続性を優先すれば、制作物のスケールをスキャン可能な素材の大きさにみあうように小さくする選択肢もある。 いずれにしても、実証制作の完遂が極めて重要であるので、鋭意研究を進める。
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Causes of Carryover |
素材の寄付などで、試験用の材料を購入せずに済ませることができた。開発する試験装置の仕様の変更により、当初予定より出費が抑えられた。以上2点が差額の理由である。
平成30年度は加工試験を行うが、できるだけ実大に近い素材を対象としたい。平成29年度に開発したスキャン装置では大きさ(容量)が不足する。必要な大きさの素材をスキャンできるように、装置の大型化を実施する。繰越金は装置の改良に充てる。
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