2018 Fiscal Year Research-status Report
機能的圏域の重層化による縮退地方自治体マネジメントの適正化
Project/Area Number |
17K18919
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅見 泰司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (10192949)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | 地方自治体 / 公共サービス / 廃棄物処理 / 規模の経済 / 居住快適性 / 土地利用変化 / 歩行傾向 / 民泊 |
Outline of Annual Research Achievements |
人口減少により地方自治体の提供する公共サービスの維持が難しくなりつつある。そのため、より効率的な公共サービスの提供方策について検討する必要がある。特に、本研究では、自治体が公共サービスを共同で行う一部事務組合のしくみに着目し、今後の自治体経営を効率化し持続可能な公共サービスの提供につながる可能性を定量的に分析する。また、人口減少によって、空き家や空き地の増加が、居住快適性にどのように影響を与えるかについても、分析する必要がある。このように、人口減少に伴う地方自治体における持続的な経営の可能性や居住者の居住性を分析するために、自治体サービスの効率化の可能性の検討、および、建物取り壊しによる居住快適性の変化の分析を行った。 前者については、廃棄物処理事業を例として、一部事務組合によって経費が削減されるかどうかを分析した。その結果、規模の経済があること、最適なサービス規模人口は84万人程度であること、ほとんどの自治体で共同事業を行うことで経費削減の可能性があることが示された。 後者については、ベルリンの住宅団地において建物取り壊し後の土地の再利用により生活質が改善されているかを調べた。現地調査の結果、建物取り壊しおよび土地の再利用の影響を可視化することができた。また、ベルリンの住宅団地を対象として、街区レベルでの居住快適性評価指標に基づき,土地利用変化のシナリオ分析を試みた。自己組織化マップを用いて居住快適性を求めた結果、小規模な土地利用変化による居住快適性の変化を求めることができた。 これらの研究の他、中高年世代の歩行傾向の分析や民泊に関する包括的な考察なども行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である人口減少下における施策の方向性を検討するために、一部事務組合による公共サービスの効率化の可能性および土地利用変化による居住快適性の変化の両面から定量的に分析ができ、研究目的に合った成果が得られているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
一部事務組合に関して、廃棄物処理だけでなく、他の事業についても検討するとともに、単一事業だけでなく、複合事業の可能性についても検討を進めたい。さらに、人口減少下における地域の生活質についてもさらに分析を進めたい。
|
Causes of Carryover |
本年度の研究成果を、学会において発表してさらに討論を重ねた上で、審査論文として投稿することが有効であると思われ、そのための経費を次年度にまわすことで、研究費の有効利用が図れると判断したため。次年度に、それらの経費として使用する。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
-
[Book] 民泊を考える2018
Author(s)
浅見泰司,樋野公宏(共編著)
Total Pages
174
Publisher
プログレス
ISBN
978-4-905366-76-8