2017 Fiscal Year Research-status Report
イメージインテンシファイア残光を利用した全く新しい非定常流速測定法の確立
Project/Area Number |
17K18938
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河内 俊憲 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (40415922)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 先端レーザー計測 / 超音速混合・燃焼 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,流れにトレーサ粒子を添加し,その粒子の軌跡から流速を計測する計測法に,微弱光を検出・増強するイメージインテンシファイアの残光を組合せ,トレーサ粒子の軌跡とその輝度値の変化から,流れの特性時間が短い流れ場でも非定常に流速を算出するという今までにない計測手法の開発を目指している. 本年度は,計測システムの構築として,当初は超音速境界層を計測する実験を行う予定であった.しかしながら,年度途中からの課題採択となったため予定していた人員配置が行えず,超音速風洞での実験実施は行えなかった.その代替案として,気流速7 m/sの低速風洞において,円柱の後流域を計測する実験を行った.その結果,本アイデアでいくつか仮定が必要なものの,流速ベクトルが算出できることを示せた.またカメラの露光タイミングとイメージインテンシファイアのゲートタイミングを色々変更し,それぞれの開始タイミングによりどのように画像が変化するかを明らかにでき,本計測において最適なそれぞれの開始タイミングを明らかにできた. イメージインテンシファイアの残光特性に関しては,取得に必要なアバランシェフォトダイオードやフォトマルチプラーヤの購入は行い,これを計測する装置を組んでいる段階で,残光特性自体は取得できなかった. 他方で,実験を実施する際の失敗から,ナノオーダーの粒子を均一に生成し,風洞に添加する手法が開発できた.この手法の場合,粒子数が多すぎ,このままでは本研究手法では使用できないけれど,これを改善し,用いていきたいと考えている.またこの粒子生成・添加法により,乱流境界層のような,乱流域と非乱流域が混在する流れをかなり高精細に可視化できることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
先にも書いたけれど,年度途中からの採択となったため,実験の実施と解析プログラムの作成に必要な大学院生2名を配置することができなかった.そのため,実験準備や実施の遂行に手間取り,当初の計画より研究が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は低速風洞においてアイデアを実証することに成功した.実験の実施と解析プログラムの作成に必要な人員の配置はすでに平成30年度に入り行うことができた.平成30年度は当初予定していた,超音速風洞での実験を実施し,既存の手法で得られた結果と新手法で得られた結果を比較し,新手法の妥当性を検証する.またイメージインテンシファイアの残光特性を計測する装置は平成29年度にあらかた組み上がっているのでこれを引き続き行い,残光特性の計測を行えるようにする.そしてこの特性を考慮した速度ベクトル算出プログラムを開発する. またこれは当初の予定にはなかったことであるが,ナノオーダーの粒子を生成することができるようになったので,この生成法を改良し,粒子数を自在にコントロールできるように,本研究に組み込めるようにする.またこのナノ粒子を用いた超音速乱流境界層の可視化も進める予定である.
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Causes of Carryover |
当初の計画では行うはずだった超音速風洞を用いた実験が行えなかったため,これに必要な光学部品の購入を行わなかったため,使用額が少なくなった.これは翌年度行うため,翌年度分として請求した助成金はz軸やx軸トラバーサ等の光学部品の購入に使用する予定である.
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