2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K18944
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥村 誠 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (00194514)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 勝也 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00271883)
村木 美貴 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (00291352)
井内 加奈子 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (60709187)
佐々木 宏之 東北大学, 災害科学国際研究所, 助教 (90625097)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | 福祉施設 / 災害リスク / 地域防災 / 避難計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
福祉施設は既存集落と離れた災害リスクの高い場所に疎外的に立地する傾向がある.2016年8月の岩泉町の水害を受けて立地規制が強化されれば,今後の施設整備の困難さは増し,長期的な不足につながる恐れがある. 本研究は,洪水や津波への垂直避難が可能な堅牢な建物と健康・福祉の知識がある職員の昼夜を通じた常駐が,周囲の地域の防災力を高める可能性に注目し,これまで「嫌悪施設」と捉えられてきた福祉施設を既成集落内に包摂的に立地させ,地域防災力を高める方策を研究する. 災害リスクの分布と制御を扱う土木工学,避難行動を扱う交通計画,施設の活用とコミュニティーを扱う社会システム工学,施設立地の法規制と助成制度を扱う都市計画学,福祉・医療機能の実態を扱う災害医療の,各分野の研究者の協力体制により,包摂的立地の災害時・平常時の効果を理論的に裏付けるとともに,住民とのコミュニケーション方法と立地推進制度を提案する. 平成29年度は,福祉施設等の立地制度のレビュー,福祉施設の疎外的立地データの収集と解析,福祉施設の医療・コミュニティ形成機能,ハザード情報の公開と理解度の実態収集,市街地リスクの現状分析について,関連研究のレビューと基礎データの収集を中心に実施した. 特に,時間的に変動する自然災害の被災リスクに対する最適な避難方法を求める手法を集中的に研究し,歩行者と自動車の混在する状況下の最適化,自ら運転が不可能な避難者を途中で乗車させる方策の考慮,一方通行化の効果分析手法の確立などが進展した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は,福祉施設等の立地制度のレビュー,福祉施設の疎外的立地データの収集と解析,福祉施設の医療・コミュニティ形成機能,ハザード情報の公開と理解度の実態収集,市街地リスクの現状分析について,関連研究のレビューと基礎データの収集を中心に実施した.また,研究分担者が有する研究ネットワークを情報交換し,本課題に関連する知見を有する有識者をピックアップしてヒアリング調査の企画を行うなどの進展を得た. また,時間的に変動する自然災害の被災リスクに対する最適な避難方法を求める手法の研究が進展し,歩行者と自動車の混在する状況下の最適化,自ら運転が不可能な避難者を途中で乗車させる方策の考慮,一方通行化の効果分析手法の開発が進んだ.
|
Strategy for Future Research Activity |
一部の研究分担者が海外学術研究のため不在となるなどの状況はあるが,海外における福祉施設の活用事例の収集も可能となることから,当初に定めた研究計画を大きくは変更しない形で,着実に研究を進めていくこととしている.
|
Causes of Carryover |
研究費申請書作成段階では,初年度4月の交付内定後すぐに執行する目算で年度別の使用額を見積もっていたが,実際の交付内定が7月であり,海外旅費などを他の財源から充当した.一方,本研究費は基金であり,無理に年度ごとの執行額を固守するよりも,次年度以降の予算額と合わせて使用することが有効と考えられたため,次年度使用額が発生した.
|
Research Products
(11 results)