2019 Fiscal Year Annual Research Report
Presence and social acceptance of different modes of communication on the road
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17K18947
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷口 綾子 筑波大学, システム情報系, 教授 (80422195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森栗 茂一 大阪大学, COデザインセンター, 教授 (20188452)
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30166392)
井料 美帆 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (80469858)
上出 寛子 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (90585960)
中尾 聡史 京都大学, 工学研究科, 助教 (70828954)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 自動運転システム / 社会的受容 / リスク認知 / 新聞分析 / テレビ番組分析 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は,かつての新交通モードであった自動車の社会的受容に着目し,(1)1880年代~高度経済成長期までの子どもと自動車に関する新聞記事分析,(2)高度経済成長期におけるNHK番組アーカイブスの「交通」に関わる番組分析を行った.(1)は,朝日新聞と読売新聞のアーカイブスより,「子ども」「クルマ」「自動車」等のキーワードで検索を行い,記者や話者の意見や主張が述べられている記事の定性的分析を行った.その結果,自動車が日本社会に出現した1900年前後は,交通事故の犠牲者として子どもの割合が高く,さまざまな議論が交わされていたことが示された.これらの議論は現代に通じることも多く,元来子どもの遊び場であった道路を自動車が占有した矛盾は,未だ解決できていないことが示された.(2)についてNHK映像アーカイブスより全27編の映像を閲覧し,その解釈と関連する法律やイベントの情報収集を合わせた質的分析を行った.その結果,この時代の種々の施策により,日本人の意識に,交通違反で捕まるのは運が悪かった,という意識が芽生えた可能性を把握した.自動運転システム(AVs)は,法律や法令に則った動きしかできないため,このような法令軽視の風潮は,日本におけるAVsの社会的受容性を妨げる可能性があると考えられる. また,国交省道路局の道の駅自動走行実証実験の長期実験について,社会的受容性アンケート調査データの分析を行い,長期実験においてAVsの賛否意識は賛成方向に高止まりしていることが示された. 研究メンバーで4回の研究会を開催し,名古屋大学,南山大学の倫理学者に話題提供いただくなど,異なる研究分野からもAVsの社会的受容を検討する機会を持った.なお,上記の成果は,2019年12月に富山大学で開催された土木計画学研究発表会にて発表ずみである.
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Research Products
(13 results)