2019 Fiscal Year Annual Research Report
High accuracy risk assessment of sediment disaster considering paleoclimate and social change in the last millennium
| Project/Area Number |
17K18954
|
|---|
| Research Institution | Yamaguchi University |
|---|
Principal Investigator |
鈴木 素之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (00304494)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楮原 京子 山口大学, 教育学部, 准教授 (10510232)
川島 尚宗 山口大学, 大学情報機構, 助教 (10650674) [Withdrawn]
江口 毅 山口大学, 大学情報機構, 助教 (20783773)
赤松 良久 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30448584)
進士 正人 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (40335766)
高橋 征仁 山口大学, 人文学部, 教授 (60260676)
森下 徹 山口大学, 教育学部, 教授 (90263748)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
| Keywords | 土砂災害 / 古気候 / 集落 / 社会インフラ / 経済活動 / 歴史 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
研究期間内での本研究の達成目標は（１）古降雨、社会・経済状況の変化を盛り込んだ土砂災害発生年表の作成、（２）過去の集落分布と土砂・水災害の発生エリアをプロットしたマップの作成であった。2009年7月に土砂災害が起きた山口県防府市佐波川流域に対しては、上記の項目はいずれも完成した。以下に主要な成果を特記する。
イ）古気候に関しては、防府市に隣接する山口市小鯖で採取したヒノキ（1955年から141年輪）の酸素同位体比を測定し、その結果を上記の年表に追加した。
ロ）集落に関しては、2019年度は広島県太田川流域を対象とした土砂災害発生年表、遺跡分布と災害発生エリアを記したマップを完成させることを目標として掲げた。土砂災害発生年表については、2014年と2018年の豪雨被災箇所で地盤履歴調査を継続実施し、放射性炭素年代測定により決定した土石流堆積物の形成年代を年表に追加し、地誌等における被災記事と照合した。また、広島市安佐北区と安佐南区の土石流の発生範囲と遺跡分布の位置関係を検討し、両者はほとんど重複せず、特に土石流が集中的に発生した箇所では遺跡そのものがあまり形成されていないことが判明した。この箇所は近年宅地開発された場所であり、先人は集落形成に不適とみていた可能性があると推定した。
ハ）社会インフラに関しては、被災渓流に対する土石流数値シミュレーションは土石流が施設等へ及ぼす影響の検討にある程度有効であることを示せた。また、衛星リモートセンシング解析によって斜面崩壊域の検出が可能であることを確認した。
二）経済活動に関しては、防府地域では森林植生が歴史的に荒廃した時期があって、その後遺症が残っている可能性があるため、まさ土斜面の崩壊をもたらす内部侵食の再現実験を行い、粒度や地盤の密度が内部侵食の発生しやすさに与える影響を検討した。この特性が土砂供給ポテンシャルに関係するとの結論を得た。
|
