2017 Fiscal Year Research-status Report
Study of the strainmeter network using virtual reality toward improving accuracy of forecasting of the Nankai Trough earthquake
Project/Area Number |
17K18958
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
楠城 一嘉 静岡県立大学, その他部局等, 特任准教授 (10549504)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 南海トラフ / 歪み / 地震 / ゆっくり滑り / 東海地震 / 前兆滑り / 地震防災 / 地震予知 |
Outline of Annual Research Achievements |
気象庁と研究協力体制を築き、同庁が東海地域で展開している歪み観測網で観測されたデータを所得し、また、研究対象となる歪み変化のデータ(具体的には、地球朝夕の影響などを除去したデータ)だけを抽出するプログラムを開発したことは、研究実績の一つである。例えば、南海トラフ地震に至らなかったが、東海地域でゆっくり滑りが発生した時に観測された歪み変化を抽出できるようになった。今後、これらのデータとプログラムをもとに、調書の「研究目的及び研究計画」で挙げたデータベース開発へつなげる。 また、研究対象となる地域を選定するために、南海トラフ全域の地震・地殻変動を予備調査したことが、もう一つの研究実績である。結果として、プレート間の固着が強い領域と弱い領域が南海トラフにあることが推定され、南海トラフ地震の前兆となるゆっくり滑りが起き得る地域があることが示唆される。この結果に加えて、歪み観測網が稠密に展開されているのが東海地域であること、及び、同地域の歪み観測網で観測されたデータを取得したことから、本研究では東海地域を主な研究領域とすることにした。本成果の一部は、Nature Communicationsに掲載され(Nanjo and Yoshida, 2018a)、また国際会議(AOGS Annual Meeting)で招待講演をすることになった(Nanjo and Yoshida, 2018b)。 さらに、今回開発する手法の適用限界を見極める予備的研究を実施してことも研究実績である(Schorlemmer et al., 2018)。従来の研究では陸域にのみ適用されていたが、この予備的研究から、海域の南海トラフにも適用できる示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歪みのデータをデータベースに格納する、データベース開発に昨年度着手したかったが、上記の「研究実績の概要」で述べたように、そのデータを取得するところまでしか到達しなかった。調書の「設備備品費の明細」で挙げていた、データベース・データ解析様端末など関係品一式の入荷に時間がかかったことは、研究代表者として見通しが甘く、進展を遅らせる原因の一つであった。調書の「挑戦的研究としての意義」でも触れた様に、探索的要素が強いことは自覚していたが、この部分はやや遅れていると考えている。 一方、上記の「研究実績の概要」でも挙げたように、研究領域の選定のために行った南海トラフ全域の予備調査や、手法開発のための予備的研究で成果をあげ、また、国際学術誌に結果の一部を公表できたことは、当初の計画以上の進捗が見られた部分である。 本研究の部分ごとで進捗にばらつきは見られるが、全体としては、「おおむね順調に進展している」と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
やや遅れているデータベース開発については、調書の「研究費の応募・受入等の状況・エフォート」にある研究エフォートを維持しつつも、そのエフォート内で、本開発に必要な時間配分率を上げることで対応したい。また、上記の「研究実績の概要」で触れたように、気象庁と研究協力体制を活用し、同庁の担当者と打ち合わせを実施して研究の効率化を図り、成果につなげていく方策である。 歪み観測網を評価する手法の開発、および、同手法と上記データベースを統合してソフトウエアを作成するパッケージ開発について、調書の「研究目的及び研究計画」にある通り、ドイツ地球科学研究所の海外研究協力者との打ち合わせや業務委託を駆使して円滑に遂行する。 今年度が事業期間の最終年度なので、研究内容の移り代わりに応じて、研究全体のバランスを心がけて実施する。また、調書の「研究経費の妥当性・必要性」で挙げた様に、国際学術誌や国内外の会議にて成果を随時公表する。研究経費について、全体余剰の削減や流用を心掛け、旅費・物品費・業務委託費についても適正化を図り、研究を安定的、効率的に実施する。
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[Presentation] Increasing Testability -Expanding Possibilities: Some CSEP future developments2018
Author(s)
Danijel Schorlemmer, Naoshi Hirata, Fabrice Cotton, Matt Gerstenberger, Warner Marzocchi, Max Werner, Stefan Wiemer, 75 5 2017 年度報告書 静岡県立大学グローバル地域センター地震予知部門 Thomas Jordan, Thomas Beutin, Dave Jackson, Kazuyoshi Nanjo, Yosi Ogata, David Rhoades, Hiroshi Tsuruoka, John Yu, and Jianciang Zhuang
Organizer
European Geosciences Union General Assembly 2018
Int'l Joint Research
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[Presentation] Increasing Testability, Expanding Possibilities. Some CSEP Future Developments2018
Author(s)
Danijel Schorlemmer, Naoshi Hirata, Fabrice Cotton, Matt Gerstenberger, Warner Marzocchi, Maximilian Werner, Stefan Wiemer, Thomas Jordan, Thomas Beutin, David D Jackson, Sum Mak, Kazuyoshi Nanjo, Yosihiko Ogata, David Rhoades, Hiroshi Tsuruoka, Jiancang Zhuang
Organizer
Japan Geoscience Union Meeting 2018
Int'l Joint Research
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[Presentation] Increasing Testability --- Expanding Possibilities Some CSEP future developments2017
Author(s)
Danijel Schorlemmer, Naoshi Hirata, Fabrice Cotton, Matt Gerstenberger, Warner, Marzocchi, Max Werner, Stefan Wiemer, Kazuyoshi Nanjo, Yosihko Ogata, David Rhoades, Hiroshi Tsuruoka, Jianciang Zhuang
Organizer
日本 地震学会 2017 年度秋季大会
Int'l Joint Research
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