2019 Fiscal Year Annual Research Report
Basic study on toxicity of nano-sized maerial waste for safe evaluation
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17K18960
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川西 優喜 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70332963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 史説 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20275291)
宮丸 広幸 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80243187)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | ナノマテリアル / 毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)とフラーレン(C60)の、ヒト肺がん由来A549細胞に対する遺伝毒性を小核試験で評価した。紫外線は波長365 nmのUV-A、310 nmのUV-B、245 nmのUV-Cを用いた。約300,000 [J/m2]のUV-A、UV-B、UV-Cのいずれかをナノマテリアルに照射後、0.05%Tween80含有生理食塩水に懸濁し、A549細胞に処理した。5時間後にメディウムを交換し、さらに42時間培養し、細胞を回収、固定後アクリジンオレンジで染色した。回収時の細胞数から相対増殖率を算出し細胞毒性の指標とした。遺伝毒性は各1,000細胞を蛍光顕微鏡下観察することで小核保有細胞頻度を算出し評価した。 MWCNTsにおいて、MWCNTs濃度が高くなるにしたがって相対増殖率は低下したが、UV-A、UV-B、UV-Cすべてにおいて照射、非照射間での差は見られなかった。小核保有細胞頻度については、MWCNTs濃度が高くなるにしたがって高くなり、UV-A照射、UV-B照射、UV-C照射すべてにおいてUV非照射に比べて高くなった。C60においては、相対増殖率はMWCNTsと同様の結果となった。小核保有細胞頻度についてはMWCNTsとは反対に、UV-A照射、UV-B照射、UV-C照射すべてにおいてUV非照射に比べて低くなった。同じ炭素系ナノマテリアルでも全く逆の結果になったことから、今後各ナノマテリアルにおいて個々の研究を進める必要がある。また、各ナノマテリアルの遺伝毒性がもっとも低くなるような処理を特定することによって、各ナノマテリアルの適切な廃棄処理方法を提案できると考える。
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Research Products
(9 results)