2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of innovative synthesis process of ammonia using diamond
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17K18980
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
徳田 規夫 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (80462860)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / 触媒・化学プロセス / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
日本が目指す水素社会の実現において、現在最も大きな問題は水素の製造、輸送・貯蔵のコストである。この輸送・貯蔵に関する問題の解決策として、炭素原子を持たない水素化物であり、体積水素密度及びエネルギー密度が極めて高く、室温で液化可能なアンモニアが水素キャリアとして期待されている。そのため、再生可能エネルギーを用いた低コストの革新的なアンモニアの合成法の開発が必要である。現在用いられているハーバー・ボッシュ法によるアンモニアの合成は、原料に水素ガスを必要とすること、そして、高温・高圧条件を必要とすることが、再生可能エネルギーを利用したアンモニア合成システムには欠点であり、原料に水素ガスを用いない、かつ、より低温・低圧下での高効率なアンモニア合成法の開発が必要である。本研究は、ダイヤモンドを用いたアンモニアの革新的合成技術の創出を目的とする。本技術は、再生可能エネルギーに基づく電力を用いて、窒素と水からアンモニアを製造するCO2フリーのエネルギーキャリア製造システムの基盤的要素技術に位置づけられる。 今年度は、窒素ドープダイヤモンド中のキャリアの光励起について検討した。具体的には、マイクロ波プラズマCVD法によるダイヤモンド膜中の窒素ドーピング制御を行った。その結果、膜中窒素濃度1E17~20 atoms/cm3のダイヤモンド膜を得た。また、その窒素ドープダイヤモンド表面に関して、水素及び酸素終端プロセスの開発を行った。その窒素ドープダイヤモンド試料に可視光を照射し電流-電圧測定を行ったところ、その光伝導度は膜中窒素濃度および終端構造に依存することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実施計画としたダイヤモンド表面構造およびダイヤモンド半導体構造の最適化において、研究実績の概要に示した通り、順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、今年度開発した終端構造を制御した窒素ドープダイヤモンドに対して、純水中、またはミスト雰囲気中における電子放出特性評価を行い、ダイヤモンドへの可視光照射による水と窒素からのアンモニア合成を目指す。
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