2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of innovative synthesis process of ammonia using diamond
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17K18980
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
徳田 規夫 金沢大学, ナノマテリアル研究所, 教授 (80462860)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / ダイヤモンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ダイヤモンドの持つ負の電子親和力を用いて高効率な電子放出を実現し、放出された電子と水と窒素からアンモニアの革新的合成技術の創出を目的とする。本技術は、再生可能エネルギーに基づく電力を用いて、窒素と水からアンモニアを製造するCO2フリーのエネルギーキャリア製造システムの基盤的要素技術に位置づけられる。 今年度は、昨年度に引き続きマイクロ波プラズマCVDを用いて高温高圧合成(HPHT)単結晶ダイヤモンド(111)基板上にホモエピタキシャル成長した窒素ドープダイヤモンド中のキャリアの光励起について検討した。具体的には、ホモエピタキシャル成長時に窒素ガスを添加することでダイヤモンド膜中への高濃度の窒素ドーピングに取り組んだ。その結果、窒素濃度10^21 atoms/cm^3がドープされたダイヤモンドCVD膜を得た。また、10^20 atoms/cm^3を超える高濃度窒素ドープダイヤモンドCVD膜に可視光を照射し電流-電圧測定を行ったところ、暗電流に比べて二桁程度高い光電流が得られた。ダイヤモンド中の窒素は、格子位置に単に置換された構造(いわゆるP1中心)以外にも窒素-空孔(NV)中心や窒素-空孔-水素(NVH)等の構造になることが知られている。そのため、更なるキャリアの高効率励起には、ダイヤモンド膜中にドープされた窒素の構造を理解する必要があり、P1中心の選択的な制御技術を開発する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究実施計画とした高濃度窒素ドープダイヤモンドの成長技術の開発、および可視光照射による光電流の増加を確認し、研究実績の概要に示した通り、概ね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、今年度開発した高濃度窒素ドープダイヤモンドからの電子放出特性評価を行い、ダイヤモンドへの可視光照射による水と窒素からのアンモニア合成を目指す。
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Causes of Carryover |
(次年度使用額が生じた理由)2018年度に海外で開催される国際会議で発表を予定していたが、国内で開催された国際会議で発表を行ったため、当該助成金が生じた。 (使用計画)当該助成金は、翌年度分として請求した助成金と合わせ、ダイヤモンド試料作製のための材料購入や学会発表の経費に充てる予定である。
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