2017 Fiscal Year Research-status Report
Optical imaging of magnetic domains beyond the diffraction limit
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17K18981
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
溝尻 瑞枝 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70586594)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 磁区イメージング / 磁気光学Kerr効果 / 光学フィルタ / 磁区 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,回折限界を超える高解像度磁気イメージングを可能にする技術の確立にある.具体的には,磁性材料表面の反射光の偏光がスピン方向に依存して回転する磁気光学Kerr効果と,光学フィルタが誘起する局在プラズモン共鳴の相互作用を利用し,数10 nmオーダ空間のスピン方向に依存して増幅されるKerr回転角から回折限界以下の解像度を実現する. 平成29年度は,光学フィルタの作製プロセスの検討を行った.光学フィルタは,直接描画,自己配列,自己組織化の3通りの方法で取り組んだ.直接描画プロセスにおいては,フェムト秒レーザパルスの非線形光吸収を利用して,回折限界以下の加工分解能によりAu薄膜の周期構造を作製した.一方,自己配列については,可視光透過率の優れたポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いて微小パーツを作製し,その一部がAu薄膜でコーティングし,それらを自己配列することにより周期構造の作製を行った.自己組織化プロセスでは,Au薄膜をSiO2石英基板上にスパッタ成膜し,その後熱処理を行うことによりAuの島状自己組織化により,Auナノ粒子間に微小ギャップを形成した.自己組織化以外の2通りの方法で作製した最小500 nm周期のAu周期構造おいては,高感度化及び高分解能化は確認できなかったが,自己組織化により作製した微小ギャップ光学フィルタ(Au粒径~20 nm,ギャップ10~20 nm)を用いた場合,磁区の高感度観察が可能であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,平成29年度は,光学フィルタの作製プロセスを検討した.光学フィルタは,直接描画,自己配列,自己組織化の3通りの方法で取り組んだ.自己組織化以外の2通りの方法で作製した最小500 nm周期のAu周期構造おいては,高感度化及び高分解能化は確認できなかったが,自己組織化により作製した微小ギャップ光学フィルタ(Au粒径~20 nm,ギャップ10~20 nm)を用いた場合,磁区の高感度観察が可能であることが明らかになり,次年度の高分解能化達成のための基礎的な知見を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,入射光の光学フィルタによるプラズモン共鳴の角度依存性を利用して,Au周期構造及びナノ粒子を有する光学フィルタを用いた高分解能化を目指す.Au周期構造の場合,表面プラズモン共鳴,Auナノ粒子の場合局在プラズモン共鳴に起因した高感度化と,入射光に依存した測定位置の変化による高分解能化を目指す.
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Research Products
(7 results)