• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2017 Fiscal Year Research-status Report

高密度Nラジカルと金属の反応による窒化物ナノ構造の形成

Research Project

Project/Area Number 17K18990
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

安武 潔  大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80166503)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大参 宏昌  大阪大学, 工学研究科, 助教 (00335382)
垣内 弘章  大阪大学, 工学研究科, 准教授 (10233660)
Project Period (FY) 2017-06-30 – 2020-03-31
Keywords大気圧プラズマ / 電子温度 / 電子密度 / インピーダンス整合 / 電磁場シミュレーション / 窒素プラズマ
Outline of Annual Research Achievements

次世代ワイドバンドギャップ半導体デバイス用In, Ga, Al窒化物ナノ構造の高能率製造プロセスの開発を目的とする。金属とNラジカルの反応では、通常の窒化では不可能なナノワイヤ、ナノロッド等の窒化物ナノ構造を高能率に形成できる可能性がある。その実現には、表面拡散を抑制できる低温と物理的スパッタが生じない条件下で、高密度のNラジカル生成が必要となる。N2は解離困難な分子であるが、我々が開発した狭ギャップ大気圧プラズマ技術は、低温で超高密度ラジカルの生成に実績があり、上記の必要条件を満たすと考えられる。そこで本研究では、窒化物ナノ構造の高能率形成を可能とする大気圧プラズマ窒化プロセスの開発に挑戦する。
一般的に、効率的なプラズマプロセスの開発には、プラズマ内部パラメータ、ラジカル密度および材料形成条件の関係を明らかにすることが、極めて重要である。これまで、狭ギャップ大気圧プラズマでは、プラズマ内部パラメータの有効な計測技術が存在しなかった。そこで、本年度は、装置の整備とともに、in situ大気圧プラズマ診断技術の開発を行った。新たな大気圧プラズマ診断法では、インピーダンス整合装置を含めたプラズマリアクター全体の電磁場シミュレーション解析によって、インピーダンス整合時の装置状態からプラズマ電子密度、電子温度を決定する。ネットワークアナライザによる共振特性の測定結果とシミュレーション結果の比較から、装置モデルが実験装置を正しく再現していることを確認した。また、窒化物ナノ構造形成に用いるN2/Heプラズマの電子温度、電子密度測定を行った。それらの電力、ガス流量、窒素濃度、基板温度依存性等の基礎データを取得することにより、新規開発した大気圧プラズマ診断法の有用性を確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

【大気圧プラズマ窒化装置の整備】既存の大気圧プラズマチャンバーに窒化用電極を組込んだ上、Ar, N2, H2ガス導入口を追加し、大気圧プラズマ窒化装置を整備した。各種のプラズマ条件で、大気圧窒素プラズマ生成実験とプラズマ診断を実施し、装置特性を把握した。
【大気圧プラズマ内部パラメータ計測技術の開発】狭ギャップ大気圧プラズマでは、狭い電極間にラングミュアプローブを挿入できないため、これまで電子密度計測が不可能であった。そこで、電磁場解析によりインピーダンス整合時の装置状態から電子密度を求める新しい手法を開発した。
【新規開発した大気圧プラズマ診断法の有用性確認】ネットワークアナライザによる共振特性の測定結果とシミュレーション結果の比較から、装置モデルが実験装置を正しく再現していることを確認した。また、窒化物ナノ構造形成に用いるN2/Heプラズマの電子温度、電子密度測定を行い、それらの電力、ガス流量、窒素濃度、基板温度依存性を明らかにした。これによって、新規開発した大気圧プラズマ診断法の有用性が確認された。
【金属窒化物ナノ構造の形成条件解明】In, Ga, Al蒸着膜のプラズマ窒化実験に着手した。予備的な実験結果から、良好な窒化特性を得るには、電力密度の増加、およびガス温度の制御が必要であることが分かった。さらに、電子温度・電子密度測定の高精度化、プロセスの制御レスポンスの高速化、および実験効率の向上のため、インピーダンス整合器の容量部をオイルーフリー化した新型構造の整合器を設計した。

Strategy for Future Research Activity

【大気圧プラズマ窒化装置およびプラズマ診断システムの整備】新型インピーダンス整合器について、電磁場シミュレーションにより性能特性を解析し、設計を最適化する。最適設計された整合器を製作し、プラズマ装置に組み込み入れることによりシステムを整備する。
【大気圧プラズマ内部パラメータ計測技術の開発】新規開発した大気圧プラズマ診断法について、新型インピーダンス整合器を用いることにより、電子温度・電子密度測定の高精度化、プロセスの制御レスポンスの高速化、および実験効率の向上を図る。低圧力の広ギャッププラズマの条件で、ラングミュアプローブによる電子温度、電子密度測定を行い、本方法による結果と比較する。さらに、発光分光法による測定を実施し、本方法によるプラズマ診断の信頼性を検証する。
【金属窒化物ナノ構造の形成条件解明】In, Ga, Al膜について、プラズマ窒化実験を行い、窒化特性およびナノ構造形態のプラズマ条件依存性に関する基礎データを得る。また、ナノ構造の組成分析、構造評価を行うとともに、形成された窒化物の組成・構造を明らかにし、プロセス開発の基礎データを取得する。
【In, Ga, Alおよびその混晶の窒化特性】Siおよびガラス基板上のIn, Ga, Alの単層膜、さらにそれらの多層、混晶膜について、種々の条件での窒化特性、ナノ構造形成過程、窒化物の組成・構造を明らかにし、バンドギャップ制御のための基礎データを取得する。

Causes of Carryover

本年度の結果に基づき、電力密度の増加、電子温度・電子密度測定の高精度化、プロセスの制御レスポンスの高速化、および実験効率の向上のため、インピーダンス整合器の容量部をオイルーフリー化した新型構造の整合器を設計した。未発表の新しいアイデアを盛り込んだ装置であるため、電磁場シミュレーションを実施して性能特性を解析し、装置設計の最適化を行うこととした。このため、新規のインピーダンス整合装置製作に必要な予算を次年度使用とした。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018 2017

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 大気圧プラズマ装置の電磁場シミュレーションとプラズマパラメータ解析―酸化プラズマパラメータと酸化膜特性の関係―2018

    • Author(s)
      田中恭輔,吉田和史,首藤光利,大参宏昌,垣内弘章,安武潔
    • Organizer
      2018年度 精密工学会春季大会学術講演会
  • [Presentation] 電磁場解析によるマイクロ波プラズマの電子密度算出手法の開発2017

    • Author(s)
      吉田和史,田中恭輔,首藤光利,大参宏昌,垣内弘章,安武潔
    • Organizer
      精密工学会2017年度関西地方定期学術講演会
  • [Presentation] 大気圧プラズマ装置の電磁場シミュレーションとプラズマパラメータ解析2017

    • Author(s)
      田中恭輔,吉田和史,首藤光利,大参宏昌,垣内弘章,安武潔
    • Organizer
      2017年度 精密工学会秋季大会学術講演会

URL: 

Published: 2018-12-17  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi