2017 Fiscal Year Research-status Report
圧力駆動型蒸留システムの装置化と安定運転技術の開発
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17K19015
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
外輪 健一郎 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (00336009)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 蒸留 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、多段圧力駆動型蒸留システムが十分な分離性能および優れた省エネルギー性を有することを実験によって示すことを目的としている。まず、蒸気輸送をスムーズに行うことができ、安定した運転が可能となるように配慮しながら、装置設計を行った。その結果、研究室で以前に開発していた装置に比べて、内容積が大きくかつ蒸気輸送路もより太い配管を使用することとなった。この結果に基づき、1段の分離を担う装置を試作してその分離性能を評価した。分離対象として、水-メタノール混合物を取り上げた。装置の温度は80℃の温水を装置のジャケットに循環させて制御した。フィードは恒温槽で予熱した後に装置に供給するように実験装置を構築した。実験当初は蒸気の抜出し操作によって、装置内部の圧力が大きく変動する現象が見られたが、蒸気抜出しの制御法を改良したところ、圧力変動を抑制することができた。原料溶液の供給量を5~80mL/minまで大きく変化させて実験を行ったが、流量によらず気相、液相ともにほぼ平衡組成となっていることが確認された。1段の分離を担う装置をさらに2個追加で製作し、3段の圧力駆動型蒸留システムを構築した。このシステムを使用して多段分離実験を行ったところ、3段の全てにおいて気相、液相ともにほぼ気液平衡に達していた。以上から、3段の蒸留装置としても十分な分離性能を示すことが分かった。現在は液の抜出しがソレノイドバルブを使ったオンオフ制御であるため、状態が変動しやすいなどの問題が存在しているが、これらを改良すればさらに多様な運転状態の実現が可能になると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、平成29年度には1段の分離を担う装置を開発することに成功している。また、多段蒸留装置の開発も計画通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
多段圧力駆動型蒸留装置の開発を進めて、より高度な分離が可能であることを実証することを目指す。またエネルギー消費量を正確に測定するため、装置からの熱ロスの抑制にも取組む。
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Causes of Carryover |
装置の試作を予想よりも安価に行うことができた。また、学会発表を行ったが、その学会では別の研究プロジェクトの発表も行ったので、旅費・参加費はその研究予算から支出した。以上のような事情から次年度使用額が発生することとなった。
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Research Products
(2 results)