2017 Fiscal Year Research-status Report
原子精度精密制御技術の駆使によるメタンをメタノールに転換する担持合金触媒の創製
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17K19040
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
根岸 雄一 東京理科大学, 理学部第一部応用化学科, 教授 (20332182)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 光触媒 / メタン / メタノール / 微細金属クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
メタンは、天然ガスとして利用することに加えて、石油の代替品として期待されるメタノールに変換して利用することも可能である。しかし、現在のメタンからメタノールへの変換には水蒸気改質法が用いられており、高温処理が必要なため、エネルギー大量消費が問題となっている。そうした中、温和な条件下でメタンをメタノールへと直接変換することが可能な、光触媒反応が注目を集めている。本研究では、こうした反応に対して有効な光触媒として報告のあるメソポーラス酸化タングステン(m-WO3)に対して、様々な金属種から成る微小金属クラスター担持させることで、メタンをメタノールへと高効率で変換させることを目指した。まず、m-WO3を調製した後、得られたm-WO3と、様々な金属クラスター(Ag35(SG)18、Ni:SG、Co:SG)を水中で攪拌させることで、金属クラスターをm-WO3上に吸着させた。その後、500℃常圧下で焼成することによってクラスター内の配位子を除去し、金属ナノクラスター担持m-WO3を得た(Ag35-m-WO3、Ni-m-WO3、Co-m-WO3)。最後に、流通系内部照射型反応管を用いて、55~60℃の条件でメタンの変換反応を進行させ、発生気体をGCにて分析した。TEM測定および小角XRD測定から、目的のメソポーラス構造を有する酸化タングステンの合成に成功したことを確認した。いずれの金属クラスターが担持されたm-WO3において、メタノール生成量が向上した。このことは金属クラスターをm-WO3上に担持させることが、メタンからメタノールへの変換反応を促進させる上で、有効な手段であることを示している。この反応は、メタンが光照射で生じたホールによって酸化されることで進行する。そのため本結果は、担持された金属クラスターが、ホールの消費を促進させるための助触媒として作用する可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目的は、合金ナノクラスターの精密合成と合金ナノクラスターの担体上への精密担持としている。本年度は、これら両方を実現することができたため、現在までの達成度を「おおむね順調に進行している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究にて得られた金属ナノクラスター担持触媒の活性及び構造解析を行うことで,更なる高活性化へのキーファクターを特定する。各実験の具体的内容は以下の通りである。 担持金属ナノクラスターの活性測定:合成した触媒と過酸化水素水をオートクレーブリアクターに加え,ここにメタンガスを封入する。反応条件を50℃と30気圧にセットし,溶液を反応させる。任意の反応時間後,気体中もしくは液体中に含まれる生成物(特にメタノール)を核磁気共鳴やガスクロマトグラフィーなどにより定量し,その結果を基に,メタンからメタノールへの転換率を見積もる。こうした実験を一連の合金ナノクラスターに対して実行する。 電子/幾何構造評価:担持金属ナノクラスターの電子/幾何構造を,理論計算,拡散反射分光,X線光電子分光,X線吸収端近傍構造測定,高分解能電子顕微鏡観測などにより分析する。これらの測定より得られた情報を基に,電子/幾何構造が光触媒活性に与える影響について検討を行う。
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Causes of Carryover |
計画がうまくいかなかった場合の計画も申請書には含まれていたが、実験は予想していたよりも簡単な方法にてうまくいった。そこで、余剰分は次年度の研究に回したいと考え、次年度の使用額が生じた。
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Research Products
(25 results)