2017 Fiscal Year Research-status Report
Investigation on topological photonic effect by semiconductor nanocolumns
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17K19059
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
江馬 一弘 上智大学, 理工学部, 教授 (40194021)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | フォトニック効果 / トポロジカルフォトニック / ナノコラム / 窒化物半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年活発に研究されているトポロジカル効果を光で実現し,光デバイス応用の基盤形成が本研究の目的である.連携研究者の胡の計算によれば,蜂の巣状に配列された誘電体の位置を巧みに制御することによって「トポロジカルフォトニック効果」が現れる.この構造の作製には,ナノスケールでの結晶のサイズと配列の制御が必要となる.連携研究者の岸野が開発したGaNナノコラムは,まさしくこの条件を満たしている.本萌芽研究の目的は,胡らによって提案されたトポロジカルフォトニック効果を,実際にGaNナノコラムを用いて,実験的に確認することにある. 申請段階での研究計画は以下である.研究の前半で,規則配列ナノコラムの配列ゆらぎの影響を調べ,実際にGaNナノコラムの物性パラメータを用いてトポロジカルフォトニック効果が生じる配置を計算る.後半において,計算された配置を作製し,トポロジカルフォトニック効果を実験的に確認する. 2017年度においては,上記研究計画のうち,「規則配列ナノコラムの配列ゆらぎの影響を調べ」という部分が達成された.規則配列したナノコラムでも,現実には多少の配列ゆらぎを伴う.配列ゆらぎの大きさが,集団応答にどのように影響するのかを,実験的に検証した.InGaN/GaNナノコラム集団を強励起すると,誘導放出現象が観測されるが,ゆらぎが大きくなると,フォトニックレーザーから,ランダムレーザーに移行していく様子が,実験的に確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書に記載した研究項目「1.規則配列ナノコラムの配列ゆらぎの影響を調べる」という部分は達成されたが,本研究のメインテーマであるトポロジカルフォトニックに関しての実験には着手できなかったため,「やや遅れている」という評価に至った. 2017年度のゆらぎに関する研究では,まだ直接トポロジカルフォトニック効果への影響でなく,光学特性に与える影響としてレーザー発振で確認した.ゆらぎが大きくなると,フォトニックレーザーから,ランダムレーザーに移行していく様子が,実験的に確認された.
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Strategy for Future Research Activity |
実際にGaNナノコラムを用いて,トポロジカルフォトニックの実験的な研究で大きな成果を達成するのは,あと1年間の研究機関では困難かもしれないが,少なくとも,GaNナノコラムの物性パラメータを用いてトポロジカルフォトニック効果が生じる配置を計算することは実現させる. その後,トポロジカルフォトニック効果の実験的な検証を行うための,光学系の確立を目指す.具体的には,計算された配置を実際にGaNナノコラムの集合体で作製し,パルスの伝搬実験を行う予定である.順調に進めば,系統的な実験結果を得ることが期待できる.
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Causes of Carryover |
2017年度は研究項目の「1.規則配列ナノコラムの配列ゆらぎの影響を調べる」について実験的研究を実施したが,もう一つの実験項目である「3.計算された配置を作製し,トポロジカルフォトニック効果を実験的に確認する」については,計算のみで終了したため,実験に必要な予算として申請した額が未使用額として残った.2018年度に実験を実施するときに使用する予定である.
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Research Products
(4 results)