2017 Fiscal Year Research-status Report
In situ AFM characterization of alloying process on liquid-metal/solid-metal interfaces
Project/Area Number |
17K19076
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一井 崇 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30447908)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 博之 京都大学, 工学研究科, 教授 (10293656)
宇都宮 徹 京都大学, 工学研究科, 助教 (70734979)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
|
Keywords | 溶融金属 / 液体金属 / 原子間力顕微鏡 / 走査プローブ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、液体中で動作する原子間力顕微鏡 (AFM) の研究が進んでいるが、そのほとんどは水や有機溶媒などの光学的に透明な液体中に限られている。これは装置構成上の制限に基づく。これに対し、われわれは音叉型水晶振動子をフォースセンサとし、光学的に不透明な液体中においても動作可能なAFMを開発し、特に溶融金属への適用を進めている。本課題では、溶融金属と固体金属界面における合金形成過程のin situ分析の実現を目指し、研究を進めている。 平成29年度は、主に力検出感度の向上による高分解能化の実現を目指し、研究を進めた。溶融金属には、室温で液体であるGaInSn合金を用いた。AFMの力検出感度は、フォースセンサのQ値およびその検出回路のノイズレベルに依存する。以前われわれが開発した溶融金属中AFMでは、これら双方に問題があった。さまざまな試行錯誤の結果、Q値を約5倍に向上、変位換算ノイズを約三分の一に低減し、これにより大幅な力検出感度の向上を達成した。それにより、面内分解能が向上しただけでなく、固体-液体界面における溶融金属原子の周期的な密度分布も可視化可能であることを実証した。AFMは固体-液体界面における分子性液体 (水や有機溶媒)やイオン液体の界面での分子密度分布の分析が可能であることが示されているが、溶融金属原子については世界初であり、大きな成果である。 一方、溶融金属と固体金属界面での合金形成過程分析については、適切な実験系の探索を現在進めている。例えば金やアルミニウムなどでは、GaInSn合金と極めて速く合金形成し、その界面現象を分析するのはAFMの時間分解能等の問題で容易ではなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溶融金属中AFMはわれわれが開発を進めている独自技術であるが、水や有機溶媒、イオン液体などの他の液体中で動作するAFMに比べて力検出感度に劣るという問題点があった。平成29年度はその原因を突き止め、装置改良により、力検出感度の大幅な向上に成功した。これは今後の高分解能分析へ向けた重要な基盤技術であり、研究は順調であると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度まででAFM技術開発についてはほぼ目的のレベルまで達成された。この技術をもとに、溶融金属/固体材料界面における様々な反応の可視化に取り組む。固体材料としては当初金属材料のみを検討していたが、半導体や酸化物等、研究対象を広げることを検討する。
|
Causes of Carryover |
当初、AFM技術開発と材料探索を並行して行いながら研究を進めていく予定であったが、平成29年度の早い段階でAFM技術開発の方に大きな進展がみられ、それに注力して研究を行った。そのため、材料探索に必要な費用を次年度に使用することとした。
|
Research Products
(3 results)