2018 Fiscal Year Annual Research Report
Laser Trapping - Spectroscopy of Single Earosol Oil Droplets: Chemistry of Supercooled Liquid
Project/Area Number |
17K19094
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (50134838)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | レーザー捕捉 / エアロゾル液滴 / 過冷却 / 顕微分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザー捕捉・顕微分光計測法(蛍光・ラマン分光法)を駆使することにより空中に浮遊・静止させたマイクロメートルサイズの単一エアロゾル液滴の物性を明らかにした。エアロゾル水滴はマイナス60℃近辺まで凍結せずに過冷却状態を生成することを明らかにしてきたが,ジメチルスルホキシドや第三級-ブタノールのエアロゾル液滴もバルクの凍結温度以下において過冷却状態を生成することを明視野顕微鏡観察から確認した.このことから,空気以外の何物とも接触の無いエアロゾル液滴は過冷却状態を生成しやすい事の一般性を明らかにすることができた.特に,バルク系においてプラス20℃近辺において凍結することが知られているジメチルスルホキシドについては,エアロゾル化することによりマイナス60℃程度まで過冷却液体となることを初めて見い出した. また,顕微偏光ラマン分光法や時間分解顕微蛍光法(動的蛍光異方性測定)により水,エタノール,ジメチルスルホキシドの単一エアロゾル液滴の粘度測定を行った.その結果,いずれのエアロゾル液滴についても,液滴サイズの減少や温度低下によりエアロゾル溶液の粘度が上昇する事を明らかにした.更に,エアロゾル液滴粘度の液滴サイズに反比例する依存性は液滴と周囲の気相間に働くラプラス圧の液滴サイズ依存性として説明することができた.これらの研究を通して,エアロゾル液体物性を温度や液滴サイズにより制御可能であることを実験的に示すことができた.
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