2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of general stereochemistry by an optically active trisubstituted cubic carbon skeleton
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17K19120
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 誠二郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (90190496)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | キュバン / 光学活性 / ファーマコフォア / 有機亜鉛 / ラジカル / サイト選択的 |
Outline of Annual Research Achievements |
生理活性物質や有機分子触媒の分子構造の特徴の一つに,複数の官能基が分子骨格に位置・立体選択的に配置されていることが挙げられる。これは,生理活性物質の場合は作用部位の,そして有機分子触媒の場合は反応に用いる分子の複数の官能基と相互作用し,複合体を作ることで活性な分子としての機能を発揮するためである。このような背景において,ホストのコンホメーションを変化させるという誘導適合(induced-fit)を考えた場合,作用分子は厳密な立体化学でなく,汎用性のある立体化学を有していれば充分ではないかと考えられる。そこで,汎用性のある立体化学を有する分子骨格として最低三つの官能基を導入することを考えたが,通常炭素鎖に置換基を三つ導入する場合,光学異性体を含めると8つの立体異性体があるので,多官能基分子としての合成のハードルが高くなる。そこで,対称性が高い炭素骨格として,安定な立方体構造炭化水素であるCubaneに着目した。Cubaneに三つの官能基を導入した場合,1,2,3-, 1,2,4-, そして1,3,5-の三種類の置換パターン(図1)が考えられるが高い対称性のため,立体異性体の数が制限される。しかし,空間に三官能基を配置する形をとることができるので,汎用性のある立体配置として,他の分子や受容体との相互作用が効率よく行えるのではないかと考えた。1,2,3-,と1,3,5-置換のケースには光学活性体も存在するので,不斉環境の区別も期待できる。今回,キュバンカルボン酸アミドに対して,サイト選択的臭素化により3,5-ジブロモ体を選択的に合成し,ジブロモ体に対して亜鉛アート錯体を作用することで二つの臭素を異なる炭素残基に置き換えることがきた。このようにして得られた1,3,5-置換キュバンを光学分割し,光学活性キュバンとして単離できた,
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Research Products
(10 results)