2017 Fiscal Year Research-status Report
鋳型認識により自己複製を仲介するアロステリック触媒の開発
Project/Area Number |
17K19129
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河合 英敏 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 准教授 (50322798)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | アロステリック効果 / 有機触媒 / キラル / 分子認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲストの会合に伴って構造を変え、触媒部位を活性化させるアロステリック触媒は、環境や刺激に応じた生成物生産を可能にする。これまでヘテロトロピックなアロステリック触媒の例はあるが、同じ基質に対し一方での反応により他方が活性化されるようなホモトロピックなアロステリック触媒は例がない。 本研究では、1つ目のゲスト会合に伴いレセプターの自由回転が阻害され、2つ目のゲスト会合が有利になるとともに一方のキラリティを他方に伝達する、キラル誘起型アロステリックレセプターを利用したホモトロピックなアロステリック触媒の開発を目的とし研究を行っている。キラル誘起が可能なアロステリックレセプターにおいて、もし一方の認識部位で反応の活性化が起こり、生じた生成物が会合し続けるならば、もう一方の会合サイトに生成物の構造に適したキラルな認識部位が形成され、続く鋳型複製反応が活性化されるだろうと考えた。 H29年度は、このようなアロステリック触媒のプロトタイプとして2つのウレア基を両端に有するターフェニルユニットを回転部となるブタジインで連結したテトラウレア型レセプターを設計・合成し、そのゲスト会合能および触媒能の検討を行った。このレセプターのアロステリック会合能を調査すべく、Bu4NOAcをゲストとして会合実験を行った。JobプロットおよびNMR滴定実験により、ホスト-ゲスト比1:2で会合すること、またレセプターの化学シフト変化のS字性から正のホモトロピックなアロステリック会合能を有することを確かめることができた。 また、本テトラウレアレセプターのHenry反応に対する触媒能を調査したところ、レセプター存在下で時間当たりの変換率の向上が見られ、触媒として作用していることがわかった。今後、本レセプターにおけるアロステリック触媒としての反応性の増幅が起こるかどうかを検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アロステリックユニットのプロトタイプとなるテトラウレア型レセプターの合成に成功し、アロステリック会合能および触媒能の発現を確認することができた。 今後、これらの反応に対するアロステリック増幅能の発現に期待がもたれる。
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Strategy for Future Research Activity |
合成したプロトタイプとなるレセプターのアロステリック触媒としての生成物複製能を検討する。また、新たなアロステリックユニットの開発を行い、種々の触媒ユニットとともにモジュラー型に組み合わせたアロステリックレセプター・触媒を設計・合成し、生成物複製能を有するホモトロピックなアロステリック触媒の開発を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究開始(研究費交付)が7月となったこと、および、合算使用が最終年度のみ可能であたため、端数が生じてしまった。
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Research Products
(7 results)