2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K19131
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
東林 修平 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (30338264)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ヘテロ環 / 環状多量体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度はヘテロ環の環状多量体の合成に必要な単量体の合成と、遷移金属試薬を用いた単量体の連結による環状多量体の合成について検討した。 (1)ヘテロ環単量体の合成 ヘテロ環の環状多量体を合成するために必要な単量体は、ヘテロ環上の反応性の低い位置に臭素置換基を有し、反応性の高い位置に官能基を有していない。しかし、反応性の低い位置の選択的な臭素化は一般に困難であるため、反応性の高い位置を予め官能基化し、反応性の低い位置を臭素化した後に、反応性の高い位置の官能基を除去することで目的の単量体を合成した。また、別のヘテロ環においては、非選択的に臭素化した後、望まない位置の臭素を選択的に除去することに成功し、目的の単量体を合成した。 (2)遷移金属試薬を用いたヘテロ環単量体の連結による環状多量体の合成 遷移金属試薬を用いて単量体のホモカップリング反応による連結を検討した。生成物を解析した結果、用いたヘテロ環の種類によって環状多量体を形成するものと、しないものがあることが判明した。また、副生成物として、水素化の生成も確認された。この反応性の違いは、ヘテロ環の環のサイズ、立体構造、電子密度に強く依存していると考えられ、今回検討した合成法では、汎用性が低く、種々のヘテロ環において、目的の環状多量体を必ずしも得られないことがわかった。従って、今後は、種々のヘテロ環で環状多量体を合成できる方法の開発が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヘテロ環の環状多量体の生成がヘテロ環の種類に対する依存性が高く、求めるヘテロ環の環状多量体が生成しなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
環状多量体の合成法として、単量体でなく、二量体を用いることにより、目的の環状多量体を合成できると考えられる。一方、二量体の合成には反応性の高い位置を保護基で保護する必要があり、後の工程での効率的な脱保護法の開発が必要となる。今後は、二量体の合成、環状多量体の形成、脱保護によって、望む環状多量体の合成を進める。
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