2018 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of zig-zag type heterocarbon nanobelt
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17K19131
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
東林 修平 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (30338264)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ヘテロ環 / 環状多量体 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジブロモカルバゾールのNiを用いたカップリングを検討した結果、おわん型二量体、フレーク型環状三量体、環状四量体、環状六量体が生成することがわかった。環状三量体は、ポルフィリン、フタロシアニンなどと同様に中心部分に元素の導入を試みた結果、ホウ素、リン、ケイ素の導入に成功した。ジブロモジベンゾフランのNiを用いたカップリングも試みた結果、同様にフレーク型環状三量体が生成した一方、環状二量体、四量体、六量体は生成しなかった。六員環のみで構成されるフェノチアジンのカップリングも検討した。原料の1,9-ジブロモフェノチアジンは未知物質であり、テトラブロモフェノチアジンの選択的な脱臭素化による新たな調製法を開発した。1,9-ジブロモフェノチアジンのNiを用いたカップリングを検討した結果、ダブルバタフライ型環状二量体のみが生成した。環状二量体はさらにN-N結合の連結によってバタフライ型ビフェノチアジン、さらにS-スルホキシドへと誘導できた。バタフライ型ビフェノチアジンは蛍光を示さないのに対し、S-スルホキシド体は蛍光特性を示した。単量体に代えて二量体のカップリング反応について検討することとした。二量体1,1’-ビフェノチアジンは、1-ブロモフェノチアジンのNi(COD)2を用いたカップリングによって合成した。1,1’-ビフェノチアジンの9,9’位を臭素化するため、NHと9,9’位のCHのリチオ化を試みたが、NHのリチオ化に続いて酸素による酸化的N-Nカップリングを生じ、ヘリセン型ビフェノチアジンが生成した。ヘリセン型ビフェノチアジンは優れた可逆的酸化還元特性を示し、リチウム有機二次電池の活物質として応用した結果、優れた性能を示す有機二次電池の開発に成功した。
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Research Products
(8 results)