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2017 Fiscal Year Research-status Report

Nanopore probe: nano-environment measurement using namespace of a channel protein

Research Project

Project/Area Number 17K19138
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

川野 竜司  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (90401702)

Project Period (FY) 2017-06-30 – 2019-03-31
Keywordsナノポア / ナノ空間 / DNA / 脂質二分子膜
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、チャネル膜タンパク質のナノ空間を利用し、単一に制限されたナノ空間内での物質の物理化学的振る舞いが観測可能な手法について構築を行う。α-Hemolysin (αHL)はおよそ直径2 nm x 5 nmのナノ空間を有すマッシュルーム型の膜タンパク質である。10塩基対のヘアピンDNA(hpDNA)はこのマッシュルーム状の形をしたαHLナノポアの上部の空間(vestibule)にちょうど収まり、電圧印加条件下でその空間に留まり分子運動をする。このナノポア内にトラップしたヘアピンDNA(hpDNA)の分子運動の解析からナノ空間内での物理化学的性質、特に粘性と水和の状態について直接観測する方法を構築できるのではないかと考えた。これをナノポアプローブとしてナノ空間内を探索可能なバイオプローブとして応用展開を目指す。H29年度の研究の結果、同程度の粘性率を持つが粘性のミクロな機序が異なる低粘性液体(グリセロール)と高粘性液体(ポリエチレングリコール、PEG)を用いてナノポアプローブによりナノ空間内での挙動を解析した。その結果バルク中では同程度の粘性であるにもかかわらず、ナノ空間内ではグリセロール溶液とPEG溶液でナノ空間内でのhpDNAの運動性が大きく異なることがわかった。本成果を国際会議を含む複数の学会(生物物理学会、日韓シンポジウム、microTAS2017)で発表し、現在論文執筆中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

これまでの予備検討およびH29年度の検討によりhpDNAのポア内での運動をチャネル電流計測から一分子レベルで観測することに成功し、粘性の及ぼす影響がバルク溶液とナノ空間で異なる知見を得た。hpDNAは熱運動、印加電圧、イオン輸送など複数の要因を駆動力にしてポア内で運動をしていると考えられる。この時の運動を詳細に解析すると、3種類の異なる阻害電流が観測でき、これらはhpDNAの異なる3状態を反映している。先行研究およびこれまでの検討から、この3種類の状態はポア内の物理化学的要素を反映したものになることが強く示唆された。そこで本研究計画では、1)グリセロール(水素結合)とポリエチレングリコール(高分子の絡み合い)という粘度は同じであるが異なる粘性溶液を用いたナノ空間内での粘性効果、2)ナノ空間内における水和状態関するホフマイスター系列の検討、に関して研究を推進する。H29年度はプローブの動作確認と粘度に関して検討を行う予定であったが、粘性に関し興味深い結果を得る事ができたので、その結果をまとめつつ、ホフマイスター系列に関して検討を行いホフマイスター系列に関してもナノポアによるプロービングが可能である知見を得た。

Strategy for Future Research Activity

構造水の形成をホフマイスター系列に従って変化させ、構造水の影響がナノ空間内で運動するhpDNAにどのように影響を及ぼすのかについて詳細に調べる。以下のホフマイスター系列(クエン酸イオン > 酒石酸イオン > 硫酸イオン > 酢酸イオン > Cl- > Br- > NO3- > ClO3- > I- > SCN-)を示す複数のイオンを用い、2状態遷移の速度、阻害電流量に関して網羅的にデータを取得する。ホフマイスター系列はこれまで水を構造化させる能力の順だと考えられてきたが、近年ではタンパク質などの大きな分子とイオンが溶けた水溶液との間の界面の問題であると考えられるようになってきた。そこで本課題では、ホフマイスター系列のイオンを用いナノ空間内でのhpDNAの運動の観察からホフマイスター系列の序列に関し検討を行う。ホフマイスター系列のイオンを用いた場合、イオン電流をきちんと得られないケースが考えられる。その場合は、ホフマイスター系列と逆の効果を示すカオトロピック塩を用いて検討を行う。これらの実験においてもhpDNAの二状態の遷移時間の変化からナノ空間内での動的状態、また阻害電流値の変化からナノ空間内での水和状態を評価する。

Causes of Carryover

物品として購入予定であったサーマルサイクラー付属のリアルタイム解析ソフトが年度内に納品困難になったため、次年度納品とした。

  • Research Products

    (5 results)

All 2017 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Nanopore Probe: Analysis of Hofmeister Effect in Nanospace2017

    • Author(s)
      M. Matsushita and R. Kawano
    • Journal Title

      Proceedings of MicroTAS

      Volume: 1 Pages: 281-282

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Nanopore Probe: Analysis of Hofmeister Effect in Nanospace2017

    • Author(s)
      M. Matsushita and R. Kawano
    • Organizer
      The 21st International Conference on Miniaturized Systems for Chemistry and Life Sciences (MicroTAS 2017)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Investigation of Hofmeister effect in nanospace using nanopore and DNA as a probe2017

    • Author(s)
      M. Matsushita and R. Kawano
    • Organizer
      2nd Japan-Korea International Symposium on Cyborgnics: Integration between cell and electronics
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] ナノポアとDNAを用いたナノ空間内におけるホフマイスター効果の検証2017

    • Author(s)
      松下雅季、川野竜司
    • Organizer
      第55回生物物理学会
  • [Remarks] 東京農工大 川野研究室

    • URL

      http://web.tuat.ac.jp/~rjkawano/index.html

URL: 

Published: 2018-12-17  

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