2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Desinable and Hybrid Digital Electrophoresis
Project/Area Number |
17K19144
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
末吉 健志 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70552660)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | デザイナブル・ハイブリッドデジタル電気泳動 / 機能性ゲル充填カートリッジ / ミクロスケール電気泳動バイオアッセイ / オンライン試料濃縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、あらゆる標的成分解析に適用可能なデザイナビリティを有する新規分析デバイスを創成すること、そして、その複数並列処理(マルチアレイ化)によって、1測定で複数の標的分子を同時に測定可能な分析デバイスを開発し、診断に要する時間を飛躍的に短縮(1時間以内)することである。その実現のため、機能性ゲル充填キャピラリーカートリッジを用いたデザイナブル・ハイブリッドデジタル電気泳動デバイスの構築を行った。 計画一年目(平成29年度)は、機能性ゲル充填カートリッジの開発と性能評価、ならびにハイブリッドデバイスのデザインに取り組んだ。開発予定していたカートリッジの内、分子ふるい分離、等電点分離、アフィニティ分離、ナノ粒子分級、酵素反応検出に適用可能な機能性ゲル充填カートリッジの作製・評価を遂行した。特に、ナノ粒子分級ゲルに関しては、これまで困難であった10nm程度のナノ粒子分級の可能性が示唆され、今後の生体内微粒子分析への応用も期待できる成果が得られた。 また、カートリッジの組み合わせによって、分子ふるい分離、等電点分離、アフィニティ分離(リン酸化修飾の有無)を連続的に遂行可能なハイブリッド・デジタル電気泳動デバイスの開発に成功した。作製したデバイスは、試料中に含まれるたんぱく質をそれぞれのカートリッジの特徴に応じて分離・捕捉・濃縮可能であったことから、今後のマルチアレイ化やさらなる機能性ゲル充填カートリッジの開発、最適化によって、簡便・迅速・高感度なハイブリッド電気泳動分離の実現が十分に示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の進捗状況について、当初の計画に概ね順調に従って、各種機能性ゲル充填カートリッジの開発とハイブリッドデバイスの設計・製作・基礎評価が進展した。その結果、分子ふるい分離、等電点分離、アフィニティ分離(リン酸化修飾の有無)に基づく連続的デジタル電気泳動分離・濃縮デバイスが実現された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後開発予定のマルチアレイ型デバイスや、その更なる多機能化に備えて、引き続き機能性ゲル充填カートリッジの開発を進めるとともに評価用デバイスの再設計を進める。また、作製したデザイナブル・ハイブリッドデジタル電気泳動デバイスを用いて、生体由来試料中の腫瘍マーカー一斉測定や血液中多成分同時解析の実現に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
物品費に関して、前年度からの繰り越し試薬・物品が想定以上に多く、新規購入予定であった高額試薬の多くを購入せずに済んだため、予算(1,240千円)よりも少額(約377千円)しか使用しなかった。その分、次年度は新規購入試薬の増加が見込まれるため、次年度使用額として繰り越したい。 旅費に関して、当初参加予定に加えて、自身の国際学会1件(招待講演)と学生の国際学会参加1件が追加されたため、予算(500千円)と比較して多額(約849千円)となった。次年度参加予定の国際学会はアジア開催であり、可能な限り予算額に収まるよう調整したい。 その他経費に関して、キャピラリー電気泳動装置のレンタル費がその他の予算にて賄われたため、予算(760千円)と比較して少額(約308千円)に収まった。本年度はレンタル費を本予算にて支払予定のため、引き続き同額程度を計上したい。
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Research Products
(11 results)