2017 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of Organic Nanotubes by Helix-to-Tube Method
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17K19155
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 英人 名古屋大学, 教養教育院, 講師 (70706704)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 有機ナノチューブ / helix-to-tube / ポリフェニレンジエチニレン / らせん高分子 / トポケミカル重合 / 光架橋 / らせん不斉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではらせん高分子から剛直な共有結合生有機ナノチューブを合成するHelix-to-Tube法の確立と、様々な大きさ・構造・機能を有する有機ナノチューブの合成を目指す。本年度はらせん形成ポリマーのためのモノマーの設計と合成を行い、自発的ならせん形成能を有することを明らかにした。 具体的にはキラル側鎖をもつピリジン、ピレンを母骨格とするポリアリレンジエチニレンpoly-PyDE, poly-PyrDEを設計・合成し、いずれもクロロホルム中におけるCDスペクトルで明確なコットン効果を示したことから、これまで合成してきたポリフェニレンジエチニレンと同様に疎溶媒効果と側鎖間の水素結合によるらせん不斉が誘起されたと考えている。また合成したpoly-PyDE, poly-PyrDEは溶媒に応じた多種多様な構造変化を示すことが明らかとなった。特にpoly-PyDEはクロロホルム/メタノール混合溶媒中で、メタノールの混合割合に応じてらせん反転を含む3度のキラルな高次構造変化をすることがあきらかとなった。現在poly-PyDEについては有機溶媒中および固体状態において光照射による架橋共有結合形成反応(helix-to-tube法)を行っており、ラマンスペクトル測定によって、共有結合性有機ナノチューブが生成したことを示す結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、新たにピリジン・ピレンなどの芳香環をもつらせん高分子の合成に成功した。想定通り、これらの高分子はらせんを形成することがあきらかとなり、poly-PyDEについてはhelix-to-tube法によって共有結合性有機ナノチューブが生成したことを示す結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
各種スペクトル測定と電子顕微鏡、原子間力顕微鏡測定などを通し、poly-PyDEから有機ナノチューブが生成したことを示す根拠となるデータを収集し、論文投稿を目指す。また、ピレンを母骨格にもつpoly-PyrDEや他の芳香環をもつらせん高分子も随時設計・合成し、helix-to-tube法による一連の共有結合性有機ナノチューブ群の合成を行う。
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Research Products
(20 results)