2017 Fiscal Year Research-status Report
表面機能化ポリマーナノ粒子が拓く高分子材料の新機軸
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17K19159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺島 崇矢 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70452274)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ポリマーナノ粒子 / ランダムコポリマー / 自己組織化 / 機能性ポリマー / 配列制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、表面機能化ポリマーナノ粒子の設計指針と合成手法を確立し、得られたポリマーやナノ粒子の自己組織化について検討した。 1)表面機能化ポリマーナノ粒子の設計と合成 ポリマーナノ粒子の前駆体として、リビングラジカル重合により、親水性ポリエチレングリコール鎖と機能基、疎水性アルキル基を持つ両親媒性ランダムコポリマーを合成した。ここでは、側鎖や機能基、鎖長、組成の異なるランダム共重合体を用いて、水中で自己組織化し、球状ミセルやこの構造を架橋・固定化したナノ粒子を合成した。これら一連の検討により、ポリマーナノ粒子の設計指針を確立することができた。例えば、異なる疎水性ユニットを両親媒性ランダムブロックコポリマーに導入すると、それぞれのブロックが独立して自己組織化し、異なるドメインを二つ持つポリマーナノ粒子を創出できることも見出した。さらに、ポリマー粒子の配列制御を志向して、機能基をポリマー末端近傍に持つ両親媒性ランダムブロックコポリマーを設計し、これらを用いたポリマーナノ粒子も合成した。 2)両親媒性ランダムコポリマーのバルク状での自己組織化・ミクロ相分離 PEG鎖と結晶性アルキル基を持つランダム共重合体は、水中や有機溶媒中のみならず、固体やフィルム状でも精密に自己組織化し、10nm以下の微細な球状パッキング構造やラメラ状のミクロ相分離構造を形成することが明らかになった。 3)ポリマーナノ粒子の結合 ポリマー粒子の配列制御を見据え、相補的に相互作用と結合が可能な機能基を導入したポリマーナノ粒子を混合し、異なるポリマーナノ粒子の結合を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
リビングラジカル重合によるポリマー合成が順調に進行し、当初2年目に計画していたポリマーの合成にも成功した。その結果、これらのポリマーに関する自己組織化の評価も検討することができた。このように、本研究は当初の計画以上に進展が見られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、当初の計画以上に進展しており、2年目も計画の通り推進する予定である。
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Research Products
(14 results)