2017 Fiscal Year Research-status Report
エポキシモノリスを用いる異種材料接合法の機構解析と応用
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17K19160
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松本 章一 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00183616)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 機能性高分子 / 界面・表面 / 異種材料接合 / エポキシモノリス / 多孔材料 / 金属樹脂接着 / エポキシ樹脂 / アンカー効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高い表面自由エネルギーと共連続構造をもつエポキシモノリス多孔体を利用した異種材料接着接合の強度発現機構を解析し、様々な素材や形態からなる被着体に適用が可能な異種材料間の接着接合法を新規に提案することを目的とし以下の研究を行った。 まず、エポキシモノリスの作製と構造評価として、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールなどポロゲンの存在下、2,2-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)プロパンなどのエポキシ化合物と種々のアミン硬化剤の混合溶液を金属板上に塗布、加熱硬化、ポロゲン除去後、エポキシモノリス膜をd作製し、エポキシの硬化条件と細孔サイズや数の相関を明らかにした。さらに、エポキシ化合物、硬化剤、ポロゲンの組み合わせを変えて同様の評価を行い、金属樹脂間の接合強度評価に使用した。表面モノリス処理したステンレス鋼板、銅板、アルミニウム板上に種々の熱可塑性樹脂を熱溶着した試験片の引張りせん断試験により接合強度比較を実施した。ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートと各金属板の接合におけるアンカー効果の寄与を明らかにし、高強度発現のための熱溶着条件ならびに金属板の前処理の最適化を行った。さらに、接着剤を用いる異種材料の接合強度を評価した。エポキシモノリスと市販の接着剤を組み合わせた異種材料接合について検討し、木材や熱硬化性樹脂板との接着試験結果を比較検討した。接着剤の代わりに溶剤を用いても同様のアンカー効果が発現することを見出し、高強度発現に適した溶剤乾燥条件などを明らかにした。キャスト重合やプレポリマーの硬化・架橋など多様な反応を利用して、異種材料接合の効果を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた初年度の取り組みに関してほぼ計画通りの成果が得られた。高強度接合に重要なカギとなるエンジニアリングプラスチックの利用に関して、ポリカーボネートを使用することにより10MPa近い接合強度を既に実現しており、さらに高強度化、高耐熱化に必要となるエポキシ樹脂ならびにアミン硬化剤のスクリーニングも行っている。高強度化、高耐熱化に関しては平成30年度も継続して行う予定である。また、異種材料接合へのモノリスシートの活用も予備的に実験を開始し、その効果を確認している。さらにモノリスシートの空隙に異種材料を充填したモノリスシートについても興味不快予備検討結果を得ており、それらについても並行して研究を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度も当初の計画に沿って研究を継続して行い、特に、エポキシモノリスを用いる接合の機構解として、構造が異なるエポキシモノリスを調整しモノリス接合の機構を明らかにすると同時に、高強度化のためのモノリス構造最適化を行う。また、金属樹脂の組みあわせ以外に多様な組み合わせの異種材料接合に対する本接合法の有効性を評価する。さらに、モノリスシートを用いる接着接合にも注力し、モノリスシートの構造や機械特性を明らかにすると同時に、シートを用いる多層接合によって通常の接着接合が困難な系について接合を試みると同時にモノリスシートの多機能化の可能性を探る。
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Causes of Carryover |
当初の計画で国際会議参加の費用を計上していたが海外での国際会議に参加しなかったことならびに接合試験に使用する材料の効率化、再利用が可能なことがわかり、当初想定していた額に比べて金属板ならびに樹脂板に関する材料費が節約できたが、平成29年度中に無理に執行することは避け、研究の進展や展開にあわせて30年度前半で執行することとし、次年度使用額が生じた。平成30年度は220万円の直接経費を執行予定であり、それらとあわせて、備品・消耗品、旅費等に使用する予定である。
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Research Products
(16 results)