2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of new synthesis method for crystalline mixed oxide materials with high surface area
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17K19170
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鎌田 慶吾 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40451801)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 触媒 / 酸化物 / ペロブスカイト / 酸化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、「独自に開発した“アミノ酸を金属分散剤としたアモルファス前駆体”の構造制御を行い、それら前駆体の中低温での熱処理による高比表面積かつ望みの組成をもつ結晶性複合金属酸化物材料の合成」と「これら複合酸化物の特異構造に由来する触媒反応系の開発」を目的としている。本年度は、リンゴ酸あるいはアスパラギン酸などのジカルボン酸を金属分散剤として用いて合成した六方晶SrMnO3ナノペロブスカイトを高い表面積をもつ各種酸化物担体(シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ニオビア)上に担持可能かどうかを検討すると共に、XRDおよびRaman分光法を用いて合成したSrMnO3担持触媒の構造に関するキャラクタリゼーションを行った。触媒調製法は、各種担体とアミノ酸を金属分散剤としたアモルファス前駆体の混合物を作製し、所定の温度で熱処理することで合成した。また、それら触媒材料を用いて分子状酸素のみを酸化剤としたフルオレンからフルオレノンへの選択酸化反応に対する活性検討を行った。各種酸化物担体の中でも、アルミナに担持した場合に良い活性向上が観測され、担持触媒のフルオレノン収率はバルクSrMnO3を用いた場合の収率よりも約3倍程度であった。また、アルミナ担持触媒はバルクSrMnO3とアルミナの物理混合物よりも高い活性を示し、XRDおよびRaman分光法よりバルクSrMnO3よりも微粒子で担持されていたことから、活性向上効果が担持に由来するものであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各種担体への担持方法の確立と触媒活性の検討ができ、担持に関する情報は得られたため。担持検討時に新しい高活性相をもつ触媒を発見でき、概ね順調あるいはそれ以上に進呈していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
テンプレート-前駆体間の相互作用を利用し自己組織化させることで、ナノロッドやポーラス材料の合成も目指す。従来の高温焼成あるいは強塩基処理によるテンプレート除去は、比表面積の低下や金属のリーチングといった問題がある。本研究では前駆体が水のみに可溶という特長を生かし、有機溶媒を用いたテンプレート除去を検討する。
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