2017 Fiscal Year Research-status Report
協同的プラズモニックモードによる微小球レーザーの低対称化と異方的発振
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17K19176
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村井 俊介 京都大学, 工学研究科, 助教 (20378805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 哲生 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (90453828)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | プラズモニックアレイ / 微小球レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プラズモニックアレイと微小球レーザーを組み合わせることで、発光方向を制御したレーザー発振を実現する。アレイの光回折とナノ粒子の表面プラズモン、さらに微小球のWGMの3つの共鳴を同時利用することで、光学設計の自由度を格段に上げることができる。特に、アレイとの接触によって微小球の対称性を異方的・意図的に破り、WGMを面外特定方向への光回折と共鳴させることで、指向性あるレーザー発振を起こすことが目標である。特定方向への発振の集中は必要な方向に光エネルギーを集中できることを意味し、応用の観点からインパクトがある。具体的には、高感度環境センサ(温度・湿度・化学物質・・・)や透明異方性ディスプレイ・表示素子の開発が期待できる。 今年度は代表者と分担者の密な議論を行い、実験のデザインを行った。この議論に基づき微小球の共鳴周波数に合わせた高性能アレイを設計・作製するとともに、微小球の設計および試作を行い、両者を組み合わせるための下準備を行った。ナノインプリント技術と反応性イオンエッチングを併せたプロセスを繰り返すことで、再現性良くアレイ構造を作製することに成功した。アレイを構成する材料として採択以前から代表者が開発してきたアルミニウムに加え他の金属・半導体・絶縁体へとバリエーションを拡張した。また並行して励起用レーザー、対物レンズ、光学マウント、光学カメラなど、光学測定・観察用の光学部品をそろえ、測定の準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付時期が遅れたため、当初の実施計画にあった異方性発光の確認にまで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の項目を研究する 1.単一粒子onアレイ系の光学測定:得られた微小球をアレイに乗せて、光学顕微鏡下で励起し、アレイによる発光スペクトルの変化を観察する。必要に応じて、カソードルミネッセンス測定を併用する。 2.複数粒子onアレイ系の光学測定;異方性光源として十分な輝度を得るために複数の微小球をアレイ面内に分散させ、大きなスポットサイズ(直径1mm 程度)で励起することで、複数の微小球を同時励起することでマクロな発光の異方性を測定する。直径20umの微小球が単層でランダム充填すると、1650個程度の微小球が当時励起されることになる。微小球の粒径を完全にそろえることは困難なので、ウィスパリングギャラリーモード(WGM)のレーザーピークは平均化され、ブロードバンド、コヒーレントな指向性光源となることが期待される。
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Causes of Carryover |
助成金交付日が想定より遅れたため、当初の計画通りに試料作製が年度内に完結しませんでした。次年度使用額分は試料作製のための費用に用いる予定です。
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Remarks |
文部科学省「平成30年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」若手研究者賞を受賞しました。「プラズモニック構造による次世代光源の創成に関する研究」
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Research Products
(6 results)