2018 Fiscal Year Annual Research Report
Structure formation of functional nano-sized structure by nano 3D pen
Project/Area Number |
17K19189
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥谷部 祥一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (40453675)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ナノデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子の凝集のしやすさと粒子同士の特異的な結合の両方を満たす条件を探すべく,DNA配列,Soret効果を増強するためのPEG(ポリエチレングリコール)の濃度および分子長,レーザー強度などの条件をチューニングした.しかし,レーザー強度が弱すぎると粒子を補足できず,一方で,レーザー強度を上げすぎると対流が生じて,やはり,粒子の補足が困難であった.現在まで,満足いくレベルでの最適化ができていない.引き続き研究を続けていく. 並行して,パッシブなコロイド粒子ではなく,自ら遊泳するアクティブな粒子であるバクテリアを担体とする構造体形成も試みた.シリコーンゴムで作製した薄いチャンバーにバクテリア(サルモネラ)溶液を流し,赤外レーザーを照射すると,サルモネラが照射部分に強く凝集することが分かった.これは,サルモネラが温かいところに集まる温度走性を持つことを表している.また,レーザーを走査することで,任意の(2次元の)形状にバクテリアを集合できることを発見した.コロイド粒子のSoret効果によるレーザー凝集では,条件の細かいチューニングが必要となるが,バクテリアの場合,1-2℃程度の温度上昇でも自ら遊泳して凝集体を容易に形成するので,構造形成に向けて有力な系となりうることが分かった.今後の課題として,菌体表面にヘアピンDNAを修飾し,バクテリア同士を特異的に接着させる必要がある. また,粒子複合体に動的な機能を持たせるため,制限酵素を用いた運動機構の導入を試みた.原理の実証として,DNAヘアピンではなく異なる配列のDNAを2種類の粒子表面に修飾し,さらにこれらのDNAの両方に結合する第3の1本鎖を加えた.片方の2本鎖結合部位にはニッキング制限酵素の認識配列を配置することで,酵素を用いて動的に結合を切断・復活できるようにした.現在,この系を用い,粒子複合体に変形機能を持たせることを試みている.
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