2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method to optically control heterotrimeric G-proteins
Project/Area Number |
17K19192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 守俊 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00323501)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 光操作 / 三量体Gタンパク質 / 光スイッチタンパク質 / 光遺伝学 / セカンドメッセンジャー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,細胞内シグナル伝達において鍵となるセカンドメッセンジャー(カルシウムイオン(Ca2+)および環状アデノシン一リン酸(cAMP))の動態制御を担う三量体Gタンパク質のαサブユニット(Gαq)を自由自在に光照射でコントロールするための分子プローブを設計・開発した.この分子プローブの開発にあたっては,細胞質と細胞膜の間でGαの動態をコントロールすることにより,その活性の光操作を実現した.具体的には,申請者が以前開発した光スイッチタンパク質「Magnet system」にCAAXモチーフを連結して細胞膜に局在化させた.さらにGα(PLCβを活性化するGαqアイソフォームを例として用いた)にもMagnet systemを連結した.暗所ではGαqは不活性型として細胞質中に存在するが,光を照射するとMagnet systemは二量体を形成し,Gαqは細胞膜に移行した.この細胞膜への移行によってGαqは活性化し,エフェクターのPLCβの活性化を引きおこして最終的にCa2+の濃度上昇を誘起できることが分かった.なお,光照射をやめれば,Magnet systemが単量体に戻るので,Gαqは細胞膜から離れて再び不活性型に戻った.このような分子プローブを遺伝子工学的アプローチに基づいて作製し,細胞内シグナル伝達において重要な働きを持つCa2+とcAMPのそれぞれについて,細胞内動態を青色光による光刺激のON/OFFによりでコントロールできることを示した.
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