2017 Fiscal Year Research-status Report
Reactive sulfur metabolomics for the study of cellular sulfur dynamics
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17K19205
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤 智裕 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (30284756)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 活性イオウ / メタボロミクス / 酸化ストレス / システインパースルフィド / 安定同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
システインパースルフィドは活性酸素の消去とシグナル伝達制御、含硫化合物の生合成、酵素活性調節、有害物質の解毒など生体内で多彩な機能を司ることが明らかになりつつある。システインパースルフィドの生理機能の理解には、システインパースルフィドおよびその関連物質がどのように生体内で生成し、さらにパースルフィドに由来するイオウ原子がアクセプターとなるチオール化合物にどのように転移していくのか、また最終的にどのように代謝・分解されているのか、を明らかにすることが重要である。本研究では、簡便かつ効率的な安定同位体イオウ[34S]でチオール基を標識したシステイン(Cys-[34S]H)の合成法を確立し、Cys-[34S]Hから生成するシステインパースルフィドおよびそこからのイオウ転移と代謝・分解を定量的かつ網羅的に解析できる分析基盤(活性イオウメタボロミクス)を構築することを目的とする。本年度の実施概要は下記の通り。(1)組換えシステイン合成酵素(CysE, CysK, CysM)を作製した。(2)それぞれの組換え酵素を用い、システインの安定同位体ならびに関連化合物(N-アセチル体、過イオウ化体、酸化体)の合成方法を確立した。(3)それぞれの化合物の多重反応モニタリングパラメーターを決定した。(4)作製した安定同位体を、新規なパースルフィド合成酵素(cysteinyl-tRNA synthetase)の酵素活性様式の解析に活用した。以上のようにサルファーメタボロミクスの基盤構築が大きく進展した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究で構築したメタボロミクスと安定同位体を組み合わせた方法がシステインパースルフィドの生成機構の解明に大きく貢献することを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内におけるパースルフィドの制御(生成と分解、代謝)機構を明らかにし、活性イオウが関わる多彩な生理機能のカスケードを明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度の実験計画の一部が順調に進んだため、その経費の一部を来年度に繰り越して使用するため。
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Research Products
(7 results)