2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of innovative manipulation technology for membrane proteins
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17K19211
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
葛谷 明紀 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (00456154)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | DNAオリガミ / 膜タンパク / ナノディスク / 脂質2重膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画に従い、脂質2重膜を取り込むための口の字型DNAオリガミ構造体の設計を行った。84残基からなるDNA二重らせんを10本平行に束ね、これを二層重ねた構造を一単位とした。これにより、奥行き28 nm、横幅35 nm、厚み7 nmの長方形のブロックが形成される。さらにこれを四単位、回転対称に並べることで、中央に正方形の疎水空間をもつ、口の字型の構造体とする。研究計画当初は中央の疎水空間のサイズを30 nmの固定としていたが、DNAオリガミ構造体の設計を工夫することにより、最小7 nmから最大35 nmまで、疎水空間のサイズを可変とした。鋳型DNAの折りたたみパターンを決定するとともに、その配列を確定した。 上記に加え、我々が独自にデザインしたDNAオリガミ類縁体であるDNAスダレ法によっても、同様の疎水空間を中央に有する構造体のデザインを行った。DNAスダレ法は、DNA二重らせん間に任意の長さのスペーサーを挿入することにより、らせん間の距離を調節するだけでなく、その角度までも自在に操ることができることがわかっている。そこで、中央に末端の疎水部を集約するようにDNA二重らせんを放射状に並べた、円形の構造体を設計した。DNAの折りたたみパターンは上記の口の字型構造体とほぼ同様の84残基のDNA二重らせん80本からなり、厚みも同じように2段構造とした。らせんの結合パターンのみを変えることにより、中央の円形の疎水空間の直径がおよそ80 nm、外周までの直径がおよそ140 nmの構造となるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りの構造体の設計に加え、新たな構造体の設計も完了し、順調に脂質の取り込み実験までを早期に遂行できる目処がたった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従って、口の字型DNAオリガミ構造体、および円形DNAスダレ構造体の実際の構築を行い、その構造確認を原子間力顕微鏡(AFM)、および透過型電子顕微鏡(TEM)観察によって行う。次いで、中央の疎水空間への脂質2重膜の取り込み実験を行う。膜タンパクの無細胞合成についても、順次着手する。
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Research Products
(9 results)