2018 Fiscal Year Annual Research Report
Engineering of a redox enzyme processively decomposing crystalline polysaccharide
Project/Area Number |
17K19213
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
飯野 亮太 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 教授 (70403003)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | タンパク質工学 / 1分子計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
結晶性多糖は、地球上に大量に存在し燃料に変換可能なバイオマスである。本研究では、多量体化によって天然型よりも優れた非天然型Lytic Polysaccharide Monooxygenase(LPMO)を創造することに挑戦し、結晶性多糖の有効利用につなげることを目的とした。 本年度はまず、前年度までに最適化した反応条件と蛍光標識酵素で単量体LPMOの1分子イメージングを行い、LPMOが結晶性キチンに結合・解離する様子を初めて観察した。その結果、基質の過酸化水素や反応メディエーターのアスコルビン酸が存在しないコントロール条件では、結晶性キチンへの結合時間が0.3秒程度と短い単一な成分のみであるのに対し、反応に必要なすべての成分を含む活性化状態では、結合時間が2.2秒程度の長い成分が20%程度現れることを明らかにした。この結合時間の長い成分が、キチンの分解を担っていると考えられた。また活性化状態では、結晶誠意キチンへの結合速度定数も増加がみられた。 本年度はまた、多量体化したLPMOの作製と活性評価を行った。キネシン1のコイルドコイルドメインをLPMOのC末端に融合し、2量体を作製することに成功した。しかし残念ながら、この2量体LPMOは、野生型の単量体LPMOと同程度のキチン分解活性しか示さなかった。そこで、3-7量体を形成するde novoタンパク質(Harbury PB Science 1993; Thomson AR Science 2014)と融合することで、さらに大きな多量体LPMOの形成を試みた。しかしながら、作製した融合タンパク質を大腸菌で発現させると全て不溶性の沈殿を形成し、可溶性のタンパク質として精製することは困難であった。現在は、新たな多量体化の方法として、SpyTag/SpyCatcherシステムを利用した系の構築を試みている最中である。
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Research Products
(6 results)