2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fluorometric Detection of Nucleic Acid Demethylations Assisted by Redox-Responsive Dyes
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17K19221
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡田 洋平 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80749268)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | レドックス応答型色素 / 核酸脱メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
核酸やタンパクなどの生体分子は、自身が数万から数十万におよぶ巨大な分子であるにも関わらず、いわば最小の官能基であるメチル基の有無によってその機能が制御されていることが知られている。メチル化あるいは脱メチル化を受けた生体分子の解析がこれらの分子の生化学的な役割を知る上で必須であるものの、生体高分子においてメチル基に対応する分子量15の増減を現行の質量分析法で検出することや電気泳動法などで分離することは極めて困難である。一方で、生体分子のメチル化や脱メチル化を触媒する酵素も多く見出されており、これらの中には疾病との関連が報告されているものもある。酵素の活性や発現部位をリアルタイムで追跡する上では、これらの酵素の基質を模して設計、合成された蛍光プローブの利用が極めて重要な手法となっている。一般に、酵素反応に対する蛍光プローブは蛍光色素と消光剤を適切なリンカー構造で繋ぎ合わせることによって設計されている。この場合、酵素がリンカーを開裂することによって蛍光色素がリリースされ、消光剤によって抑えられていた本来の発光特性を回復することによって蛍光を示す。しかしながら、メチル化や脱メチル化といった反応では、同様の戦略に基づく蛍光プローブの設計は困難である。そこで本研究では、メチル化や脱メチル化といった僅かな構造の変化で有意に発光特性を変化させることができる、新しい蛍光色素の研究開発に取り組んだ。特に、電気化学的な手法によって合成可能なジヒドロベンゾフラン誘導体が特異な蛍光特性を示すことを見出し、この骨格を有する化合物群を中心とした様々な蛍光色素を見出している。一般に共役系を伸ばすことで高度な発光特性が得られるものの、酵素反応に対する蛍光プローブにとって必要不可欠な水溶性が失われてしまう。本研究では、いずれも充分な水溶性を示す単一のベンゼン骨格にも関わらず高度な発光を実現することに成功した。
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