2018 Fiscal Year Annual Research Report
Environmentally Friendly Chemical Synthesis of Peptides Achieved by Slight Electron Transfer
Project/Area Number |
17K19222
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
千葉 一裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20227325)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ペプチド / 有機電子移動 / 電解反応 / 電解酸化 / 液相合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペプチドは基本的には様々なアミノ酸が直線状に並んだ化合物であり,基本的にはカルボキシル基とアミノ基の脱水縮合反応の繰り返しによって作られる.これは副生成物として水を生じるだけの非常にクリーンなプロセスであり,生物も利用している理想的な化学反応の1つとなっている.しかしペプチドの化学合成においては原理的に化学量論量以上の縮合剤が必要不可欠となる. 本研究では,電子そのものを触媒とするクリーンなプロセスによって不活性型の縮合剤を活性型へと再生することに挑戦し,縮合剤の使用量,ひいては廃棄物の量を大幅に削減することを目的とした.トリフェニルホスフィンは酸化的な活性化プロセスを経由して,脱酸素、または脱水反応を進める機能を有する物質として知られる.そこでこの分子の機能を最適化し,電気化学的な処理によりアミド結合形成を連続的に完結する反応について開発を行った.その結果ジクロロメタン中でトリフェニルホスフィンを電解処理すると,多様なペプチド合成がほぼ定量的に完結することを明らかにした.ペプチド合成は予め疎水性の高いタグに結合させることにより,得られた生成物と不要な試薬類は簡便に分離することができ,さらには脱酸素化後の生成物であるトリフェニルホスフィンオキシドも電気化学的な還元処理で,トリフェニルホスフィンに再生した.この結果は,僅かな電子移動によりペプチドなど大量の脱水縮合剤の消費を抑制する新たなグリーンケミストリーとしての可能性を開くものである.
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[Journal Article] Metal- and Reagent-Free Dehydrogenative Benzyl-Aryl Formal Cross-Coupling by Anodic Activation in 1,1,1,3,3,3-Hexafluoropropan-2-ol2018
Author(s)
Yasushi Imada, Anton Wiebe, Til Gieshoff, Kazuhiro Chiba, Robert Franke, Siegfried R. Waldvogel
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Journal Title
Angew. Chem. Int. Ed.
Volume: 57
Pages: 12136-12140
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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