2017 Fiscal Year Research-status Report
薬剤耐性遺伝子のレゼルボアとしての難培養細菌の役割解明
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17K19246
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
臼井 優 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (60639540)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | 難培養細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性菌の出現及び拡散は国際的な公衆衛生上の問題となっており、日本においても、one healthのコンセプトに基づいて、ヒト-動物-環境の間で拡散する耐性菌・耐性遺伝子の包括的な実態解明が早急に必要とされている。環境中ではヒトや動物から分離される細菌とは異なる細菌が耐性遺伝子を保有しており、その細菌が環境中において耐性遺伝子のレゼルボアとして働いていることが示唆された。近年、これまで培養することができなかった細菌を培養する技術としてiChipという画期的な方法が報告された。この技術は、in situにおいて環境そのものを培地として利用することで、難培養細菌の生育を可能にする。今回、環境中における耐性遺伝子のレゼルボアを明らかにすることを目的として、iChipの原理を応用して水圏、土壌、堆肥といった環境を対象として難培養細菌を分離し、難培養細菌が保有する耐性遺伝子を明らかにすることを計画している。 当該年度はiChipを自作して、河川水より難培養菌の分離を試みた。しかし、iChip中には、多くの培養可能菌が生育してしまい、難培養細菌の分離はできなかった。そこで、培地の組成を変更し、これまでの培地で難培養細菌の生育を阻害していると考えられる物質を除き河川から難培養細菌の分離を試みた。結果、複数種類の難培養細菌を分離することができた。次年度は、複数の河川水や土壌を用いて、当該年度に確立した方法を用いて難培養細菌の分離を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
iChipが論文情報以上に作成が難しく、方法の確立に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
難培養細菌の分離方法は概ね確立できた。今後は、難培養細菌から薬剤耐性菌を分離し、ゲノム解析、性状解析を行い、薬剤耐性遺伝子のレゼルボアの可能性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度は、開始時期が遅くなり条件検討に想定以上に時間がかかったため。
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