2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a non-GM method for crop genome editing
Project/Area Number |
17K19249
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (90291913)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / CRISPR / Ribonucleoprotein / ジベレリン / 緑の革命 / コムギ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに,金粒子にCRISPR/Cas9 RNPを直接コートしてコムギ茎頂に導入することで,ゲノム編集個体が得られることが明らかになった.最終的に232個の胚に対して処理を行い,T0第5葉において変異の検出を行い16個体(6.9%)において変異が検出された.このうち,2個体において,T1世代に変異が遺伝した.そのうち1系統(H7_1)においてはA,B,Dの3ゲノムにおいて同時に機能欠損型変異が導入されていた.更なる解析を行った結果.H7_1系統ではA,B,DゲノムにA,T, Aの1塩基挿入がそれぞれ起きていることが判明した.RT-PCRによる転写物の解析から,H7_1系統では遺伝子の発現が完全にノックアウトされていることが判明した.また,オフターゲットの可能性について検討したところ,H7_1株においてCas-OFFinderにより予想されるオフターゲットサイトは全て変異が導入されていないことが分かった.sd1変異はイネの緑の革命として知られ,イネの短稈化に大きく寄与している.コムギ実用品種においてはRht遺伝子による短稈化がはかられているが,sd1の共存により,更なる短稈化が期待される.そこで,T2植物を使って,稈長の評価を行った.sd1変異を導入したH7_1系統では,野生型に比べて,有意に短稈化することが分かった.この時の種子収量は野生型と同等であった.以上の結果からDNAを用いないゲノム編集によるsd1の変異創出により,耐倒伏性の向上が期待される短稈のコムギを育成することに成功した.
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