2017 Fiscal Year Research-status Report
Attempts of plant mitochondrial genome modification via mitochondria-targeting TALENs
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17K19256
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 智彦 東北大学, 農学研究科, 助教 (30431464)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,新規ミトコンドリアゲノムタイプのランダムな創出を目指して,複数の領域をターゲットとするmitoTALENを導入して二本鎖切断を起こさせ,再分化してきた系統のミトコンドリアゲノムの変化について調査する.また,ミトコンドリアゲノムの特定の箇所にmitoTALENを用いて二本鎖切断を導入したカルスに,切断箇所周辺領域と相同な配列に挟まれたgfp遺伝子を持つプラスミドもしくはDNA断片をパーティクルガンで撃ち込むことにより,gfp遺伝子がミトコンドリアゲノムに挿入されるかどうかを調査する. 今年度は,新規ミトコンドリアゲノムタイプのランダムな創出を目指して,ミトコンドリアゲノムにコードされるcox3およびorf288をターゲットとしたmitoTALENコンストラクトの構築を行い,をジャポニカイネ台中65号に遺伝子導入を行った.cox3をターゲットとしたmitoTALENの2コンストラクトの導入後,再分化してきた系統から,ゲノムを抽出しcox3について調査したところ,cox3自体の配列には変化がないことが明らかとなった.cox3は生存に必須な遺伝子であるため,cox3に変異が導入されたような細胞からは再分化されてこなかった事が予想された.現在,orf288ターゲットのmitoTALENの再分化個体を得るべく,遺伝子導入実験を続けている. 相同組換えを利用したgfp遺伝子の挿入実験に関しては, BT型CMSイネのCMS原因遺伝子候補であるorf79をターゲットとするmitoTALENコンストラクトを用いる.今年度は,orf79の5’上流および3’下流それぞれ2 kbを含み,orf79コード領域をgfpと置換したプラスミドの構築を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規ミトコンドリアゲノムタイプの創出に関しては,現在のところ,当初の計画通りに進捗している.一方,gfp遺伝子のノックインに関しては,ミトコンドリアへのgfpコンストラクトのデリバリーができているかどうか判断ができておらず,問題であると考えている. このため、やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
新規ミトコンドリアゲノムタイプの創出に関しては,計画通りに推進していく.一方,gfp遺伝子のノックインに関しては,gfpコンストラクトがミトコンドリアにデリバリーされているかどうかが不明であるため,ミトコンドリア移行ペプチドの併用も検討する事で,当初の目的達成を目指す.
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Causes of Carryover |
当初次世代シーケンサーによる解析を計画していたが,今年度得られた遺伝子導入系統ではその必要性が低かった.このため,次世代シーケンサーによる解析費用の一部を繰り越すこととした.現在,遺伝子導入を進めている別の系統でゲノム解析をする際に利用する予定である.
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