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2017 Fiscal Year Research-status Report

Role of the insect ionotropic receptor, Grs in the sensing organs and internal tissues

Research Project

Project/Area Number 17K19261
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

佐藤 令一  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30235428)

Project Period (FY) 2017-06-30 – 2019-03-31
Keywordstaste receptor / Gr / Bombyx mori / neuropeptide / Tachykinin / K5
Outline of Annual Research Achievements

昆虫の味受容体Grが環境に向けた、あるいは組織間の情報の収集においても、ちょうど哺乳類のGタンパク連結型受容体(GPCR)に似た大きな役割を果たしていることが見えて来た。そこで今期は以下の3点を検討した。
①Grのリガンド同定: カイコガのGrを発現させたHeEK293細胞の蛍光イメージングシステムを用いて、それらGrが応答するリガンドの同定を試みた。その結果、Gr6と10が一部の糖類ばかりか摂食促進性の植物2次代謝産物群に応答すること、Gr9が特にドーパミンに高感度で応答すること、また、Gr16、18および53が摂食抑制性の植物2次代謝産物群に応答することが明らかになった。GPCR以外のドーパミン応答性の受容体が見つかったことは基礎生物学上大きな成果である。また、摂食行動の促進的あるいは抑制的な制御機構に関与すると思われる受容体の発見は昆虫行動学・生理学上大きな成果である。
②リガンドが同定されたGrを発現する細胞の同定に向けた抗血清作製: Gr53に対する抗血清を作製しタンパク質レベルで発現細胞の同定を行うことが可能になった。
③腸内分泌細胞が応答し分泌すると期待されるホルモンに対する抗血清の作製: 消化管(中腸)で発現するGrは腸管管腔内の物質を検知してホルモンの分泌を介して体内にシグナルを発する働きを持つとする仮説が考えられた。そこで、RT-PCRによる遺伝子発現解析から中腸で発現されると報告されてきた5種類ホルモンに対して抗血清を作製した。結果、そのうちの2種類、Tachykininと BmK5が、それぞれが中腸内分泌細胞および中腸上に付着する神経様細胞で、発現している事を確認した。Grとの関係性に興味が持たれる結果であった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

重要な神経伝達物質であるドーパミンに応答性のGPCR以外の受容体の発見は基礎生物学上きわめて重要な発見である。また、摂食行動に促進的あるいは抑制的に制御に関与すると思われる受容体の発見は、昆虫行動学上極めて重要な発見である。こういった大きな発見が既に得られているので当初の期待以上の成果が出ていると言える。

Strategy for Future Research Activity

予定通りに以下の実験を推進する。
① Gr発現細胞の同定、および2重染色による1細胞のGr発現パターンの確定: 現在作製中である抗血清ができたGrから順次発現細胞を同定する。また、既に発現細胞の確認を進めているGr6やGr10に関しては、同一細胞における発現が示唆されている。そこで、さらに確認する目的で、蛍光標識の付け方を変え、2重染色を実施して1細がGr6とGr10を同時に発現しているかを確認する。
② 脂肪体や内分泌細胞の応答の解析: リガンドと発現細胞の解析が進んだGr6やGr10に関して、それらGrによるリンガンド認識に細胞がどう応答するかを知る目的で、Gr6やGr10が発現する中腸や脂肪体の神経ペプチドやホルモンの産生パターンを検討する。
③ 細胞が本当にGr6やGr10のリガンドに応答して②で示した神経ペプチドやホルモンを分泌するかを知るための,分泌物資のMas spectrometry同定: ②で予測したGr6やGr10に対応した細胞応答が本当に起きているかを知る目的で、当該細胞あるいはそれを含む組織にGr6やGr10のリガンドをふりかけ、応答により放出される物質をMass spectrometryで同定する。これには医科歯科大学が提供しているリニアイオントラップ/電場型FT-MS/MSを用いたサンプル受託制度を利用する。

  • Research Products

    (4 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] Insect taste receptors relevant to host identification by recognition of secondary metabolite patterns of non-host plants2018

    • Author(s)
      Kasubuchi M, Shii F, Tsuneto K, Yamagishi T, Adegawa S, Endo H, Sato R
    • Journal Title

      Biochem Biophys Res Commun

      Volume: 499 Pages: 901-906

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2018.04.014

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 昆虫消化管の神経ペプチド分泌機構の解析2017

    • Author(s)
      山岸孝幸・佐藤令一
    • Organizer
      第3回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会
  • [Presentation] カイコガ幼虫の脂肪体に発現する味受容体の機能解析2017

    • Author(s)
      宇野翔吾・遠藤 悠・常藤加菜・佐藤令一
    • Organizer
      第3回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会
  • [Presentation] カイコガ幼虫における忌避物質受容体の同定2017

    • Author(s)
      志井文香・粕渕真由・常藤加菜・佐藤令一
    • Organizer
      第3回蚕糸・昆虫機能利用関東地区学術講演会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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