2017 Fiscal Year Research-status Report
異種病原体の重複感染により劇症化する植物病の分子解剖
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17K19263
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
平田 久笑 静岡大学, 農学部, 准教授 (00432196)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | カンキツ / ウイルス病 / 細菌病 |
Outline of Annual Research Achievements |
微生物と宿主の相互作用研究は、先進的なゲノム解読技術の普及に伴い、その対象を単一種の微生物に限定せず、微生物叢の複合的な影響を含めて考察することが可能になりつつある。微生物感染による植物病には、複数の病原体が重複感染し複合的な作用の結果として現れる病害例もあると考えられるが、微生物間の相互作用、および感染植物の細胞内環境の変化に基づく、病原性の制御機構については知見が乏しい。本研究では、一個体の植物に複数の病原体が感染する重複感染に着眼して病原性や抵抗性への影響について研究を開始した。その成果の一つとして、カンキツの病原細菌とカンキツ感染性の病原ウイルスを、カンキツ樹(ナツダイダイ)の葉に重複感染させると、それぞれの単独感染に比べて細菌感染の病徴が強まり、またウイルスの葉内の蓄積量が増加する現象を見出した。細菌とウイルスという異なる感染様式をもつ二種微生物の重複感染による病態変化を明らかにし、病徴激化に至るカンキツ組織の細胞内分子環境の解明を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、細菌とウイルスを重複感染させたカンキツ葉における、宿主遺伝子の発現変動を調べる研究に着手した。それぞれの単独感染の場合と比較し、遺伝子発現の変化を見出すことができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
重複感染植物において、病原性に関わる宿主遺伝子の発現変動を明らかにした。これら結果に基づき、より詳細な細胞内変化の解明を試みる。感染部位と非感染部位における比較、または重複感染させる病原体の組み合わせを変化させた場合との比較を行い、特異性と普遍性を見極める。
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