2018 Fiscal Year Annual Research Report
Novel mycovirus transmission pathway via conidia in filamentous fungi
Project/Area Number |
17K19266
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池田 健一 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (40437504)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ヴァイロコントロール / 菌類ウイルス / 細胞質不和合性 / 菌糸融合 / 分生子形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の出発点となった変異菌W1032BF株は、分生子を形成しながら生育する。これは、その他の白紋羽病菌においては観察されない現象であった。白紋羽病菌は通常、分生子を形成することなく菌糸を培地上に伸展させる。本研究では、この変異菌W1032BF株の特徴付けを進めることにある。 変異菌と多様な組み合わせで対峙培養を行った際に、特定の組み合わせにおいて、変異菌に相手側の菌糸が巻き付く現象が観察された。この現象を詳細に観察した結果、変異菌は接触時に菌糸直径が大きくなり、相手側菌糸は小さくなる事が判明し、その結果巻き付く現象が引き起こされていることが明らかとされた。また、変異菌同士を対峙培養した際には分生子の形成が抑制されることが明らかとされた。この結果は、変異菌が和合性組み合わせにおける対峙培養においてウイルス伝搬効率が野生株よりも低かった原因を説明できるものであり、分生子を介したウイルス伝搬機構の存在を補強するデータとなった。さらに、変異菌とその親系統菌株を用いた全ゲノム解析およびRNA-seq解析を行い、変異部位および発現変動した遺伝子の特徴付けを進めることができた。これに加えて、分生子形成に着目し、Aspergillus等において報告のある分生子形成遺伝子の発現変動について、real time RT-PCR解析を行ったところ、変異菌株において発現変動の認められる遺伝子を見出すことができた。
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