2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of genome editing technology targeting somatic and germline stem cells, which facilitates insect postgenomic researches
Project/Area Number |
17K19275
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
安藤 俊哉 基礎生物学研究所, 進化発生研究部門, 助教 (10709744)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2019-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / CRISPR-Cas9 / 非モデル昆虫 / ナミテントウ / トランスジェニック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺伝子操作が困難な非モデル昆虫において、次世代シーケンサーの解析データを活用した迅速な有用遺伝子の同定及び遺伝子改変昆虫作出を可能にする、新規ゲノム編集ツール導入法の開発を目的とした。 本年度は、ゲノム編集ツール遺伝子Cas9を体細胞及び生殖細胞で強制発現する為の遺伝子の全長cDNA配列をRNA-sequence法及びRACE(rapid amplification of cDNA ends)法によって取得し、非モデル昆虫であるナミテントウのドラフトゲノム情報を利用してナミテントウ遺伝子のプロモーター、非翻訳領域、ターミネーター配列を複数クローニングした。そして、それらの配列をCas9遺伝子と結合したDNAコンストラクトを作成し、形質転換の為のトランスポゾン(piggyBac)ベクターへの挿入を完了した。さらに、組換えナミテントウ作出に向けた受精卵へのインジェクションを行い、蛍光遺伝子マーカー(3xP3-YFP)を用いたスクリーニングを進めている。 一方で、非モデル昆虫に対して効率的に遺伝子導入を行うためのタンパク質の特性を解析する生化学実験系に関しては、装置の納入時期が年度の後半であったため、リコンビナントタンパク質の発現に必要なDNAベクターの作製と実験系の立ち上げにとどまってしまったが、2年目からすぐにリコンビナントタンパク質の精製とそれらを用いた非モデル昆虫の体細胞と生殖幹細胞への遺伝子導入条件の検討を進められる状況にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していたトランスジェニックナミテントウの作出に必要なDNAコンストラクションとナミテントウ受精卵へのインジェクションを完了した為。生化学実験に関しては、実験系の立ち上げに留まってしまったが、2年目からすぐに解析を進める為のDNAコンストラクションが完了した為。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したトランスジェニックナミテントウを用いて、体細胞及び生殖細胞で効率的に遺伝子導入を行う条件検討を進める。さらに、生化学実験系を用いて精製したリコンビナントタンパク質の中で非モデル昆虫で遺伝子導入するのに適切なタンパク質を探索し、体細胞及び生殖細胞で効率的に導入可能な条件検討を進める。ナミテントウで検討を進めた遺伝子導入条件をさらにナミテントウ以外の昆虫(カブトムシ・アブラムシ)で検討し、非モデル昆虫に一般的に応用可能な方法であるかを検討する。
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Causes of Carryover |
生化学実験に必要な装置の納入が計画より遅れたために、関連した消耗品の購入を翌年度に回す必要が生じたため。
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