2017 Fiscal Year Research-status Report
人工制限酵素を利用した減数分裂組換え位置の人為的改変技術の開発
Project/Area Number |
17K19277
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
雑賀 啓明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (20435613)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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Keywords | 育種学 / バイオテクノロジー / 遺伝学 / ゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
減数分裂では、DNAが切断されることにより相同染色体間で組換えが誘導され、両親由来の配列が交換されることで遺伝的多様性が創出される。本研究では、人工制限酵素を利用することで、減数分裂組換え位置を人為的に改変するための技術を開発することを目的とする。平成29年度は、以下の2課題について研究を実施した。 課題1.可視的かつ簡便に減数分裂組換えイベントを検出できるシステムの構築 イネ(品種日本晴)に対し、アグロバクテリウム法により、ルシフェラーゼ(LUC)遺伝子の発現カセットを形質転換した。得られた形質転換カルスにおいて、ルシフェリン処理によって発光することを確認するとともに、サザンブロット解析により導入遺伝子が1コピーであると考えられる系統の選抜を行った。また、LUC遺伝子を標的とするCRISPR/Cas9発現ベクターを2種類作成し、LUC遺伝子を形質転換したカルスに導入した。これらのカルスにおいて、ルシフェリンによる発光が見られなくなった細胞を確認することができた。 課題2.減数分裂期にCRISPR/Cas9を発現させるシステムの開発 減数分裂期に発現すると予想される遺伝子を選定し、それら遺伝子の上流領域約3kbを減数分裂期プロモーターの候補としてクローニングした。これらのプロモーター領域の下流にCas9遺伝子及びガイドRNA、もしくはGUS遺伝子を連結したベクターを構築した。また、これらの発現カセットをアグロバクテリウム法で形質転換できるようにするため、バイナリーベクターへのクローニングを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたベクター構築法を変更する必要があったが、全体としてベクター構築は問題なく進んでおり、研究期間全体の進捗には特に支障はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
課題1「可視的かつ簡便に減数分裂組換えイベントを検出できるシステムの構築」においては、昨年度形質転換したイネカルスから再分化個体を得る。得られた個体の分子生物学的解析を行うとともに、後代で導入遺伝子がホモ化した系統を獲得する。これらの系統を交配することにより、異なる部位に変異が挿入されたLUC遺伝子をヘテロで有する系統を構築する。また、本系統が減数分裂組換えマーカーとして機能するか検証実験を行う。課題2「減数分裂期にCRISPR/Cas9を発現させるシステムの開発」においては、GUSによる発現部位、及びゲノム編集の有無を確認することにより、今回選定したプロモーターが減数分裂期に機能することを検証するとともに、最適なプロモーターを選抜する。
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Causes of Carryover |
当初の計画とは異なり、より簡便かつ安価な方法で試験材料である形質転換イネを作出する方法を考案し、それに沿って研究を実施したため残額が発生した。次年度は残額を利用して、予定より多くの検体数を調べるため、分子生物学実験棟の研究消耗品として使用することを検討している。
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Research Products
(1 results)