2017 Fiscal Year Research-status Report
Effect of lighting-gas combined surroundings on preservation of fresh-cut vegetables
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17K19305
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
小川 幸春 千葉大学, 大学院園芸学研究科, 准教授 (00373126)
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| Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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| Keywords | カット野菜 / 保蔵 / ガス / 光 / 栄養 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，カット加工してパッケージングされた後でもカット野菜の品質，特に栄養機能性を維持あるいは向上させることが可能となる新たな保蔵技術の確立を目的とする．H29年度は，近赤外線の照射処理によるカット野菜保蔵中の品質変化を検討した．品質の評価項目として試料外観および抗酸化能を定量的に調査，解析した．実験試料にはカット野菜として最も用いられているキャベツを選択した．試料はカット加工，殺菌処理ののち光透過性が高くかつガス透過性は低いナイロン製袋に封入し，袋を通して近赤外光を照射処理した．照射処理後は暗所下で冷蔵し，一定期間ごとに各品質項目を調査，検討した．外観はデジタル画像から色情報を抽出処理することで色差として定量的に評価した．試料の抗酸化能評価にはFRAPアッセイを適用した．それら検討の結果，本実験条件下では試料に適した波長・照射強度の近赤外線を照射することで初期条件からの色差変化抑制現象が確認された．また適切な強度の近赤外光を照射した結果，対象区や過剰・過少照射区と比較して保蔵後のドリップ生成が抑制される傾向も確認された．これら現象が生じた原因として近赤外光による試料組織内でのラジカル生成が考えられたため，照射処理した試料の抗酸化能を調査した．実験の結果，近赤外光を照射処理した試料は，保蔵時間の経過に伴って抗酸化能の増加傾向が示された．このことから，照射処理によって抗酸化能を有する何らかの物質の蓄積が示唆された．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物組織はカット加工後もある程度の期間，細胞レベルでの生理活性を保持する．本研究ではガスや光などの物理的環境要素がカット処理された植物組織の生理活性に及ぼす影響を検討し，保蔵中の栄養機能性向上に関わる能動的な生理活性物質の生合成促進を目指す．H29年度は物理環境要素としての近赤外線の照射処理による効果を検討した．本研究では，収穫された後の未加工野菜などに対して保蔵性延長効果があるとされる波長850nm近傍の近赤外線を照射処理に適用した．近赤外線はカット加工，殺菌処理後に袋詰めした状態の試料に対して袋を通して照射処理した．試料保蔵用の袋には光透過性が高くかつガス透過性は低いナイロン製袋を用いた．照射処理後の試料は袋に封入したまま暗所下で冷蔵し，一定期間ごとに袋内二酸化炭素濃度，試料の外観品質および抗酸化能を調査した．外観品質は試料のデジタル画像を取得して色情報を抽出処理することで定量的に評価した．試料の抗酸化能評価には定法であるFRAPアッセイを適用した．その結果，本実験条件下では試料に波長850nmの近赤外線を60秒間程度照射処理することで，初期条件からの色差変化抑制が確認された．特に，対象区や過剰・過少照射区と比較して保蔵後のドリップ生成が抑制されるなどの傾向が確認された．それらの効果が見られた原因として近赤外光の照射作用による試料組織内でのラジカル生成が考えられたため，照射処理した試料の抗酸化能を調査した．実験の結果，近赤外光を照射した試料は，保蔵時間の経過に伴って抗酸化能の増加傾向が示された．このことから，照射処理によって抗酸化能を有する何らかの物質の蓄積が示唆された．
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| Strategy for Future Research Activity |
H30年度は，光学的な処理のみではなくガス環境の影響も検討する．特に植物組織の呼吸限界となる酸素ガス濃度を設定し，同時に二酸化炭素ガス濃度を段階的に調節した環境を用いることでガス環境がカット野菜の保蔵性に及ぼす影響について調査，検討する．また光学的な環境として近赤外光以外にも波長幅を絞った可視光，紫外光の照射による影響も検討する．品質評価のための項目としては二酸化炭素濃度で評価可能な呼吸量，外観の色情報・萎凋程度を示す水分量，および抗酸化能などを検討する．呼吸量はガス濃度計を用いて測定する．外観はデジタル画像を取得して画像処理による色情報抽出，解析によって定量的に評価する．水分量は質量変化をもとに評価する．試料の抗酸化能はFRAPアッセイによって評価する．
以上のように光環境，ガス環境それぞれがカット野菜の保蔵性に及ぼす影響を検討ののち，ガス・光複合環境も検討を進める．
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| Causes of Carryover |
光学的な照射処理を行うためのLEDパネル製作，および適切なガス濃度の選定に時間がかかったことから次年度使用額が生じた．それら物品はH30年度に購入予定である．
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Research Products
(2 results)
