2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a real-time response curve estimation of the canopy net photosynthetic rate to the CO2 supply rate in a ventilated greenhouse
Project/Area Number |
17K19306
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富士原 和宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (30211535)
|
Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2020-03-31
|
Keywords | CO2施用 / 温室 / デジャブ・データ検索 / ヒューリスティック / 推定法 / 植物個体群 / 純光合成速度 / 換気回数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、換気中の温室であっても、CO2施用の効果を最大限に発揮させ得る、合理的なCO2施用を行うための中核技術となる、CO2施用速度-温室内植物個体群純光合成速度応答曲線(以後、CP曲線)のリアルタイム推定法を開発することを目的とする。 平成30年度の台風24号(2018年9月末)により、環境計測機器等が激しく破損したことで中断された最終試験を平成31年度に実施した。強制換気小型ガラス温室(屋上設置)でトマト40株を養液栽培し、新たに構築したCP曲線のリアルタイム推定プログラムの運転を30日間行い、問題点の抽出と必要な修正・改良の検討を行った。CP曲線リアルタイム推定システムの主要構成要素は、① 環境要素測定用センサ、② CO2施用速度の制御装置、③ センサ出力電圧のA/D変換およびCO2施用速度の制御出力を行うマイクロコントローラとその周辺回路、④ ノートPC、⑤ CP曲線リアルタイム推定プログラム(Python 3.7で記述)であった。運転試験期間を通して、本システムによるCP曲線のリアルタイム推定を想定通りに実施することができた。 また、デジャブ・データ検索のための各環境要許容範囲設定がCP曲線の推定精度に及ぼす影響を調べるための、完全制御環境下でありながら自然環境下にある温室の各環境要素変動に近い変動を実現した環境で行う実験により、1日の間に同じCO2量を施用しても、大型温室で広く普及しているゼロ濃度差CO2施用法よりも、光合成有効光量子速度の大きい時間帯にのみ温室内CO2濃度を外気よりも100ppm高くする方法の方が1日の純光合成速度の積算値を高められることを証明した。このことは、CP曲線のリアルタイム推定法を用いたCO2施用法が、ゼロ濃度差CO2施用法よりも、1日あたりのCO2施用効率を高くできることを示唆している。
|
Research Products
(3 results)